第7回
BASS Bassmaster Northern Open 第1戦


 日本のみなさん、こんにちは。日本はもうすっかり夏の陽気だと聞くけど、五大湖周辺はやっと本格的なバス釣りシーズンに入ったという感じだ。スモールマウスも少し前に釣れはじめて、レイク・エリーにも数多くのボートが浮かぶようになった。そして、いよいよトーナメントシーズンにも突入した。
 昨年まではエバースタートとBASSオープンの両方に出場していたけど、今年はBASSノーザンオープンのみにエントリーすることにした。オープンに挑戦するのは今年で3年連続なんだけど、なんとかこの大きな壁を乗り越えてバスマスターツアーへ昇格したいと願っている。ノーザンオープンは全3戦が開催されて、総合成績のトップ15名が来期のツアーへ進出できる。175名が参戦するので狭き門だ。ちなみに、昨シーズンの総合成績は25位。今年はなんとしても上位に食い込みたい。
 そこで今回は、2004年シーズン・ノーザンオープン第1戦の経過をお届けしよう。

 開催日程は6月24〜26日の3日間で、開催湖は五大湖の1つレイク・エリーとナイアガラ・リバーだった。レイク・エリーはホントに巨大なフィールドで、風が吹きはじめると突然大荒れ状態になる危険な湖だ。だから、レイクに出る際にもっとも気をつけなければならないのは風。それもあって、プラクティス期間には、ほとんどのアングラーたちが風に関する情報交換をしていた。釣りの話よりも風に関する話題のほうが多く感じられたほどだった。
 私は6日間のプラクティスを敢行し、グッドフィッシュも見つけられた。ただ「本戦で、その場所に辿り着けるのか!?」というのが一番の課題だった。BASSは気象情報が最悪のケースになることを想定して、荒天の場合はトーナメント・ウォーターがナイアガラ・リバー周辺に制限されると前もって伝えていた(写真は2003年にナイアガラの滝の近くで撮影したもの。すぐ近くまで寄れるし、船外機の周りに映っている白いモヤは滝から飛んできた霧だ)。
 そんな状況を想定して、プラの最後の2日間をナイアガラ・リバーのチェックに当てた。まぁまぁのバスも見つけられたが、本湖に抜けたほうがウエイトは稼げると確信した。
DAY1:

 朝、目覚ましが時計が鳴る前に木々が風に揺れてざわめいている音で目が覚めた。なんだかんだでボートを用意してランチングするときには、20ノットの風が南西から吹いていた。BASSが「試合をやるよ」と言ったときには、まったく信じられなかった。レイク・セントクレア、レイク・エリーでガイドをする私が危険だと感じたのだから、そうとうな強風だったと思ってもらっていい。
 ニューヨーク州バッファロー地区が受ける最悪の風向きは西か南西で、この方向から吹くとフィールドに直撃し、大荒れ、大波状態になってしまう。はじまったからには仕方がない。マイエリアに向かって17マイル、波のど真ん中を突き抜けて到着した。ハルデザインの深いチャンピオンボートに感謝。なんとか危険を逃れて辿り着けた。
第10回
Northern Open 第1戦で2位入賞

2005/08/11
待ちに待ったBASSノーザンオープンが開幕。今年は出だしから好調だ
第1回
Fishing on Lake St. Clair

2002/03/09
 
第2回
With Mickey Bruce

2002/06/13
 
第3回
Walleye, another great game-fish

2002/07/15
 
第4回
Smallies!

2002/08/28
 
第5回
Monster Fish

2004/03/12
 
第6回
KVD Interview

2004/05/20
 
第7回
Northern Open 第1戦
2004
2004/05/20
 
第8回
Northern Open 第2戦
2004
2005/01/11
 
第9回
Northern Open 第3戦
2004
2005/03/15
 
 最初にバスをかけたのは午前9時半で、ちょうどパターンを心配しかけていたところだった。そんな私を横にコ・アングラーは4パウンダーを釣り上げた……。私たちが使用したテクニックは、風に乗せてチューブベイトをドラッギングするというもの。端から見るとバカな光景かもしれないが、エリーのスモールマウスには非常に効果的なんだ。この日は12Lb4ozをウエイインしたけど、賞金圏内からは1oz外れてしまった。
 
DAY2:

 今日いいウエイトを出さなければ、決勝ラウンドに残れないまま家路に着かなくてはならない。レイクは初日とは異なり大人しい感じで、そのためかウエイトは全体的に上がった。風が吹き抜けなければいろんなテクニックが使用できるし、ダウンショットリグやジグスプーンも目立っていた。
 この日私はマイエリアに向かうとノリオ・タナベと遭遇。他にも数名のアングラーがすでにいたが、広いエリアだったので彼らとシェアして釣ることにした。チューブで3尾キャッチしたが、そのときノリオが4パウンダークラスをダウンショットでキャッチするのが見えた。ワームをチェンジしようかと思ったが、やはり自信のもてる釣りが一番だと思い、チューブで押し通すことにした。チューブはライトグリーンカラーにパープルフレーク入りのもので、ラトラーを搭載したジグヘッド(3/8oz、マスタッド社ウルトラポイントフックの#4/0。http://www.stopperlures.com/default.htm)をセットしていた。
 釣っていた水深は30〜35ftくらいで、2日めは16Lb5ozをウエイインできた。初日も2日めも6尾ずつしか釣れなかったから最終日に残れるかどうか心配でならなかったが、なんとか決勝へ進出できた。
DAY3:

 この日はラフウォーターに再転した。予報では当初10〜15ノットの西風だったが、試合が終わるころには30ノットという強風が吹き荒れた。そのときの波といったら、デカいどころの騒ぎじゃなかった。マリーナを囲むように40ftの分厚さに12ftの高さの防波堤があって、これが2マイル続いている。波はこの堤防を超えて、マリーナ内に直撃していた……。
 私が知るかぎり、1艇は転覆して船頭だけが水面から突き出ていた。命からがらだったのだろうが、その日釣り上げたバスとタックルはレイク・エリーの藻屑となっていた。マリーナに戻れなくなって、他の船に牽引してもらっていた者も中にはいた。そんなことも予測して、私はこの日遠くに行くのをやめたが、なんとか7尾をキャッチできた。4.5パウンダーを1尾と小さいのを4尾で、合計11Lb7ozをウエイイン。バラした3.5パウンダーが入っていれば、もう少し上位でフィニッシュできただろう。
 BASSノーザンオープン第1戦は34位、207ポイントと賞金1500ドルを獲得した。飛び上がって喜ぶほどではないが、初戦でこの成績は悪くないといえるだろう。
 
 8月12〜14日にかけて開催される第2戦(ハドソン・リバー&エスチュアリー大会)ではいいウエイトを連発させて上位入賞を果たし、グッドポイントを獲得したい。その際にもトーナメント・レポートを書くつもりなので、お楽しみに。 
 
 JON BONDY (オフィシャルサイト