第2回
With Mickey Bruce
ジョージア州アトランタの近くにあるレイク・レニアー(Lake Lanier)。この湖畔沿いに友人の自宅がある。カナダのトロントに住んでいる私にとって、アトランタまでは長旅だ。旅の疲れも相当だが、アメリカでも有数の有名レイクで釣りができることを考えると、疲れも吹き飛んでしまう。なにしろ、私はここで3日間、グッドフレンドでもあり、トップ・プロアングラーであるミッキー・ブルース(Mickey
Bruce)と釣りをすることになっているのだ。
彼はこのフィールドで長い間釣りを続け、マイ・ポンドのように思っている。地元でも「レイク・レニアーにことは、ミッキーに聞け!」といわれているらしい。
このレイク・レニアーはグッドサイズのスポッツ(スポッテッドバス)が釣れることで有名だ。スポッツはラージマウスほど大きくならないものの、スモールマウスに負けないほどのファイトをするのだ。スポッツを釣りたい一心だった私は「早くスポッツを釣りたいなぁ」とミッキーに告げると、「それはやらない」というではないか!
|
|
|
ミッキーによると、実は、それ以上にエキサイティングなことが起こっているという。彼が最後にレイク・レニアーに出たとき、ストライパーのスクールに遭遇したらしい。最初はありがちなフィッシュ・ストーリー(basswave注:フィッシュストーリーとは「逃がした魚は大きい……」という類いの、釣り人の大袈裟なハナシのこと。日本にもありますよね)かと思って聞いていたのだが……。よくよく話を聞いてみると、それがかなりスゴいストーリーだったのだ。「とりあえず、何を投げても釣れる、しかもビッグサイズも釣れる」と、えんえんとその話をするものだから、気持ちがさらに高ぶってしまった。
翌朝、無風で気温もほどほど、釣りには最高の天候となった。ボートを湖上に出して周りを見渡すと、すでに何らかのビッグフィッシュがボイルしている音が聞こえてくる。その音に近づいてみると、さらに驚いた。Fish
were everywhere! ……そこら中が魚だらけなのだ!
最初に私が手にしたのは、7ftのロッドに17ポンドライン。ルアーは8inのレーベル社製ミノープラグ、レッドフィンである。ミッキーは、ここのストライパーを釣り上げるメソッドを教えてくれた。ミノーはダイブさせずスローリーリングし、巻いては止め、巻いては止めを繰り返し、ルアーの前後に波紋を作るのが効くという。最初のエリアでは、ストライパーはすでにシャッドのスクールをチェイスしていた。ボートを止めミッキーが最初のキャストをすると、いきなりのアタック。しかし、釣れてきたのは、4ポンドのスポッツだったのだ。4ポンドのスポッツといえばかなりのグッドサイズ。よくよくチェックすると、シャッドをチェイスしているのはストライパーではなく、スポッツのスクールだったのだ!
|
|
ここで何尾かをキャッチするとスクールはどこかに行ってしまったが、驚いたのはこんなデカいルアーに繰り返しバイトしてきたことだった。
2マイルほど移動すると、再びボイルをしているスクールに遭遇した。今回は間違いなくストライパーだ。この魚がボイルしているときは、スプラッシュを2ftくらい跳ね上げる。このため、注意深く観察していれば、スポットに到着する1/2マイル先から、それがストライパーのスクールだとわかる。
ただし、ストライパーがトップで騒いでいるのは、ほんの1分足らず。だから、スクールを見つけた場合、素早く近寄ってキャストしなければならない。しかも私たちが釣りをしていたダムサイト近くは、かなり水深があるエリアだった。私たちがストライパーを釣り上げたあるスポットは、水深135ftのトップである。彼らは普段は比較的深いレンジにいて、時折スレッドフィン・シャッドと呼ばれる小魚をチェイスしはじめるのだ。 |
|
|