第3回
Walleye, another great game-fish
 

 今回私が紹介するゲームフィッシュは、アメリカ北部やカナダでは非常にポピュラーなウォールアイ(Walleye:学名は Stizostedion vitreum vitreum)。日本には生息していないため、日本のアングラーにはあまりお馴染みとはいえない魚だが、北アメリカでは人気の高いゲームフィッシュで、ウォールアイを対象にしたトーナメントが開催されているほどだ。アメリカではバスに次いで人気のあるゲームフィッシュといってもいいだろう。
 このウォールアイは比較的冷たい水を好むため、アメリカの中東部やカナダに多く分布している。釣りの対象魚としてグッド・ファイターなのはもちろん、美味なため食用としても人気が高い。レストランによっては、ウォールアイのグリルなどを出している所も少なくない。

 私がやっているガイドでは、毎年最初の4ヶ月くらいはウォールアイを中心としたものになる。ミシガン州デトロイトのダウンタウンを通るデトロイト・リバーには、春が近づくとウォールアイの群れがやってくる。何万(何億?)とも思えるウォールアイの群れがこのエリアにやってくるため、アメリカ全土からアングラーが押し寄せる時期でもあるのだ。ウォールアイたちは、川を越えてレイク・エリーに入ると、スポーニングに入るのだ。実際には川の流れは速くヘビーで、20時間で32マイルも流れる。
 
 ウォールアイは3月初旬にアクティブになると川に遡り、6月にあるとレイク・エリーに戻っていく。夏の間はメインレイクでベイトフィッシュを追いかけて生活する。おもなベイトフィッシュは、エメラルド・シャイナー(Notropis atherinoides)やスポットテール・シャイナー(Notropis Hudsonius)。水温が華氏40度くらいになるとシャローを気にしはじめ、44〜50度くらいでスポーンに入る。スモールマウスが大体55度くらいからスポーンに入るから、ウォールアイの方が若干早い。エリアとしてはシャローエリアの砂や砂利底の場所で、フルムーンの夜が絶頂だろう。

 多くのアングラーが2つの意味で“オイシイ”魚を釣り上げようとするが、ゲーム・フィッシュである以上、そう簡単でないことは想像できるだろう。ウマいアングラーというのは、それ相応のタックルと適確なボートポジションを心得ているものだ。私が使用しているのは、オールスター社の6ftスピニングロッドに6Lbsライン。8Lbsでも釣れるのだが、ウォールアイはラインの太さでかなり釣果に差が生まれ、ヘビーなものはお薦めしない。特に、12Lbs以上ではバイトすらない(あるのかもしれないが、アタリが取れない)。ルアーは、“スティッカージグ”に4inストレートテールワームを使用している。(http://www.stopperlures.com/
 ウォールアイ・フィッシングのもっとも一般的なメソッドはバーチカル・ジギングで、このときボートは川の流れと同じ速さで流さなければならない。つまり、トローリングモーターをきちんと使いこなすテクニックがないと難しい。ジグはボトムを「ホップさせてフォール」の繰り返しだが、フォールされるときは、ラインにテンションをかけた状態にしないと、ショートバイトを取れない。
 ウオールアイは10〜15ポンドに成長するので、6Lbsラインで釣るというのは、まさにエキサイティングだ。しかも、ディープでバイトがあったときには、ファイトの時間もかなり長く楽しい。深さの話が出たのでついでに書くが、デトロイト・リバーは最深部で60ftくらい。私が今までに一番深いところで釣った経験は55ftだったが、平均して12〜30ftの深さにウォールアイのスクールがいるケースが多い。
第10回
Northern Open 第1戦で2位入賞

2005/08/11
待ちに待ったBASSノーザンオープンが開幕。今年は出だしから好調だ
第1回
Fishing on Lake St. Clair

2002/03/09
 
第2回
With Mickey Bruce

2002/06/13
 
第3回
Walleye, another great game-fish

2002/07/15
 
第4回
Smallies!

2002/08/28
 
第5回
Monster Fish

2004/03/12
 
第6回
KVD Interview

2004/05/20
 
第7回
Northern Open 第1戦
2004
2004/05/20
 
第8回
Northern Open 第2戦
2004
2005/01/11
 
第9回
Northern Open 第3戦
2004
2005/03/15
 ガイドでお客さんとの3人乗船でウォールアイをねらうと、15〜30尾というのがアベレージの釣果だ。40尾以上キャッチできることも珍しくはない。あとは、週に1回のペースでウォールアイよりデカいヤツがくるときがある。マスキー(Muskie:Esox masquinongy)だ。こちらでは「キング・オブ・フレッシュウォーター」と呼ばれ、淡水域最強のプレデターである。25ポンドのマスキーが釣れたときには、かなり驚いたことを覚えている。この魚は体長が4ftもあって、ボートに寄せるのに20分も要した。このときは、ウォールアイ用のネットでは入り切らなくて、仕方なく素手で取り込んだ。しかし、巨大なマスキーは3/4inくらい長さの歯を持っているので、充分に注意しないと、指がなくなる……。この地域では50lbのマスキーも釣り上げられているのだが、それを聞くと泳ぎたくなくなってしまう。もっとも、人間を襲うことはほとんどないのだが……。
 
 というわけで、こんな魚にも興味があったら、また質問してほしい。

 JON BONDY (オフィシャルサイト