昨シーズンのある日、私はミシガン州から来たお客さんにスモールマウスを釣らせるためのガイドをしていた。このとき私たちはショアから6マイルほど離れた地点にある小さなハンプで釣りをしていた。このハンプというのは基本的にソフトボトムで頂点部分が岩盤になっていて、周りには特にストラクチャーがないから、魚がステイする格好のスポットなのだ。濃霧に襲われながらなんとかスポットに辿り着き、私はまずファットフリー・シャッドで釣りはじめた。ハンプの大きさは直径16ftくらいで、水深が14ftくらい。広範囲に探れるクランクベイトはパイロットルアーとして欠かせない。すると、1投めで4Lbほどのスモールマウスがヒットした。その後、私はお客さんに釣ってもらうことにして横で見ていたが、日が昇ってバイトが止むころにはラクに20尾は釣りあげていた。
“釣りきった”感じはしなかったが、とりあえずスポットを休める目的で、近くのハンプで釣ってみたが、最初の場所にはかなわなかった。
いろいろとルアーをスイッチして、最終的にズーム・フィネスワームのグリーン・パンプキンカラーをセットしたダウンショットリグをお客さんに手渡した。すると、さっきまでのノーバイトがウソのように、またラッシュがはじまって……。次の数分間、私たちは腰を抜かすような事件に遭遇した。
お客さんがスモールマウスをフックアップした。ロッドの曲がり方からして2Lbクラスだった。するとバスは、ボートの方向に向かって猛スピードで泳ぎ出した感じがした。ロッドのテンションは弱まるし、ラインを巻き取るスピードもおぼつかない。「オォォーーッ」などと言っていると、今度はピタリと止まった。
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