第10回
BASS CITGO Bassmaster Northern Open 第1戦(2005)


 日本のみんな、こんにちは。暑さに負けず、釣りに行ってるかな!? カナダ……といっても、私の住む町、ウィンザーはデトロイト・リバーを挟んでアメリカのミシガン州と隣り合わせだ。だから、カナダ北部と違ってそんなに涼しいわけではない。現在の気温は30度前後。だから、日本とそんなに変わらないだろう。
 私はBASS CITGOバスマスター・ノーザンオープン戦に参戦していて、ここ数回はトーナメントに関するレポートが続いている。私は31歳で若いほうだと思っているし(笑)、歳をとりすぎて億劫になる前に、アングラーであれば誰もが夢見るバスマスターツアーに挑戦しようと、ここ数年間、頑張ってオープン戦に出場している。一昨年からオープンに挑戦し、昨年はもう一歩のところでツアー昇格を逃してしまった。しかし、今シーズンは私の中で「ツアー昇格できるんじゃないのか!?」といったムードがあった。今回は、そんなノーザン第1戦のもようをレポートしたい。

  バスマスター・ノーザンオープンは、7月14-16日の3日間の日程でオハイオ州レイク・エリーを舞台に開催された。五大湖でガイドを営む私でも、今回ばかりは「苦戦するかもしれない」と感じていた。なぜなら、トーナメント・ウォーターがオハイオ州域に限定されていたからだった。私が最後にオハイオ側で釣りをしたのは11年前。プラクティスでは、「はじめてのレイクにチャレンジする気持ち」で臨んだ。
 今大会には2人の日本人アングラーが参戦していた。2004年度Wal-Mart FLW TOUR総合優勝者のシン・フカエ(深江真一さん)とバスマスターツアーで活躍するコータ・キリヤマ(桐山孝太郎さん)だ。彼らが参戦すると聞いたとき、「強敵が現れた」と思った。

  プラクティスには7日間を費やした。「たかがひとつのレイクに7日間も」と思うかもしれないが、レイク・エリーは単に広大なだけではない。今日は穏やかだったが、明日には7ftを越える大波にもまれる可能性を秘めている。案の定、7日間中5日は5ftほどの波と対峙しながらの練習となった。波があれば、それだけ移動に時間がかかる。湖面がデッドカーム(ベタ凪ぎ)であれば3日で終わるプラクティスも7日間かかってしまう。プラクティスが終わったとき、7日間かけてよかったと思った。
 プラクティスでは10カ所をメインスポットとして押さえた。いくつかは13-14ftの“シャローエリア”で、いくつかは25-30ftのディープスポットだった。スモールマウスがちょうどスポーニングを終えた時期で、課題はそんな彼らをどうやって攻略するかだった。産卵を終えたバスの一部はまだシャローに止まっているように思えた。しかし、これは試合中に気がついたのだが、彼らは暑い夏を快適に過ごすために、ディープハンプに移動している最中だった。
 本戦初日、私はプラクティスでグッドサイズのスモールのスクールを見つけておいたシャローエリアに向かったが、なんとそこはもぬけの殻になっていたのだ。その後30分ほどそのエリアでねばったが反応がなく、仕方なくディープレンジへとシフトした。

 プラクティス最終日に4Lbハーフのスモールを釣りあげた小さなロックパイルがあって、私はすぐさま、そのエリアに移動した。釣りを再開してまもなくプラクティスで釣りあげたのと同サイズのスモールをキャッチした。そこで、このエリアを“4パウンダー・スポット”と命名(笑)。その後もラン&ガンを続けて1尾、また1尾と追加し、グッドフィッシュをライブウェルへと入れていく。
 このパターンで私は2つのリグを多用した。ひとつは10Lbのフロロカーボンラインに3/8ozシンカー、マスタッドのサーモンフック、プアー・ボーイズ・ゴビーワームを用いたドロップショットリグ。もうひとつは、1/2ozのジグヘッドに5inのチューブワーム(グリーンパンプキン/パープルフレーク)だった。
第10回
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2005/08/11
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第5回
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第7回
Northern Open 第1戦
2004
2004/05/20
 
第8回
Northern Open 第2戦
2004
2005/01/11
 
第9回
Northern Open 第3戦
2004
2005/03/15
 
 初日の早朝は穏やかだったため、チューブベイトの遠投で攻略。力一杯投げて、ワームがドカーンと着水する。どうもスモールマウスはこの着水の音とスプラッシュを見ているようで、30ftのボトムにワームが着底する前にフォーリングでバイトがくる。もしバイトがなくても、ロッドアクションでワームを8ftほどボトムから持ち上げてフォールさせれば、またバイトがくる感じだ。バスはもちろんのこと、このテクニックでウォールアイやドラムまで釣れた。
 風が出てからはチューブからドロップショットに変えて、ゆっくりとドラッギングで流した。トロウリングモーターを活用し、ベイトフィッシュの上を上手くトレースできるようコントロール。本戦初日は18Lb9ozをウエイインし、7位という好ポジションでスタートした。

  2日めは、アングラー全員にとってタフな1日となった。最初に“4パウンダー・スポット”に向かってチューブベイトのトロウリングで2尾をすぐにキャッチする。この2尾がともに4Lbハーフだったため、開始直後に9Lbをキャッチできた。ところが、ここからが伸びない。結局、この日はどれだけやっても5尾しか釣れず、最後の1尾は終了30分前にキャッチ。ウエイトは16Lb7ozとやや低迷したが、全体的にウエイトが下がったため、4位に順位を上げた。
 最終日、私は迷わず“4パウンダー・スポット”に直行。すぐさま4Lbハーフをキャッチした。これでもう私自身のスイッチがオンになり、気分がノッてきた! すぐに別のエリアに移ってドロップショットのドラッギングを敢行。午前8時30分にはリミットを揃えていた。また終了5分前に4Lbを釣りあげ、入れ替えもした。その結果ウエイトは18Lb12ozに上った。
 
 BASS CITGOバスマスター・ノーザンオープン第1戦は、2位でフィニッシュすることができた。4万2000ドルの賞金は、私にとって大きな臨時収入になった。これでしばらくの間は、お金に困らないだろう(笑)。プロアングラー兼ガイドという生活には、必要経費が想像以上にかかる。毎試合とは言わないが、定期的にいい賞金を獲得しておかないと、かなり苦しい思いをすることになる。
 ノーザン第2戦は8月11-13日にかけてニューヨーク州レイク・シャンプレーンで開催される。今年はなんだかツアー昇格も夢ではない気がしている。次回もいい結果を伝えられるよう上位をねらっていきたい。

JON BONDY (オフィシャルサイト