第8回
BASS Bassmaster Northern Open 第2戦


  Hello、日本のみんな。
私は2004年シーズン、BASS CITGOバスマスターツアーとオープン・チャンピオンシップへのクオリファイを目指して、BASS CITGOバスマスター・ノーザンオープン戦に参戦していた。前回のレポートでは第1戦のレイク・エリー戦を書いたが、ここでは続いて第2戦「ハドソン・リバー大会」をレポートしよう。

 ノーザンオープン第2戦の開催地は、ニューヨーク州ハドソン・リバーだった。この川の源流はニューヨーク州北部のアディロンダック山地で、北から南へと流れる大河である。川はニューヨーク州を縦断し、マンハッタンの真横を抜けて大西洋へと注ぐ。ウエイインはキャッツキルという場所で行なわれ、ここはハドソン・リバーの中ではやや上流部にあたる。しかし、直接大西洋と繋がっているためタイドの影響は強力で、毎日6時間ごとに水位が4ftも上下する。そのため、1つや2つのパターンでは競技として成り立たず、ベテランアングラー、トップアングラーであっても困惑する難しいフィールドなのだ。
 一般的に、バイトを得る可能性が高い時間帯は動いているタイドが止まりかけているときで、写真でもわかるようにカレント(タイド)と水生植物がカギになる。特に「ウォーター・チェストナット(ヒシ科の水生植物)」がハドソン・リバー攻略の決め手となる。チェストナットは堅く、トローリングモーターを使って分け入ることは難しい。したがって、下げ潮に合わせてそのエッジを釣ることになる。そのタイミングに合わせてフリッピングで攻めるのが私のパターンだった。
 この大会に向けて私は6日間のプラクティスを行ない、5カ所のいいエリアを押さえていた。しかし初日、私のボートナンバーは163番。これには気が滅入った。「ハドソン・リバーは広大だから、他にもいいエリアがあるはず」と思うかもしれないが、それでもプロダクティブなエリアは限られてしまうのだ。早朝、ボートナンバー1番が出航し、私がスタートするまでにおよそ1時間を要した。
 マイエリアに到着すると、すでに何艇かのボートが浮かんでいた。しかも下げ潮の時間はすでに終わり、潮は上がりはじめてしまっていたのだ。結局この日は1尾(1Lb9oz)のみのウエイインで149位。いきなりつまづいてしまったのだ。ただし、この日は激しいサンダーストームに見舞われた。もし一番にマイエリアに入れたとしても、あの状態ではフリッピングで釣ることは難しかったかもしれない。
  2日め、私のボートナンバーは10番で、この日はタイドのタイミングもよく、ねらっていた下げ潮のパターンにハマった。ハドソン・リバーの下げ潮は毎日50分ほど遅くなる(ずれていく)ので、この日は前日に比べて50分間ほど多めにいい時間帯に釣りをすることができた。ここで釣りをするアングラーは潮時表を参考にしてパターンを組むケースが多いため、これは私だけが知っていたシークレットではないのだが……。
 それにしても、2日めはホントにいい感じでスタートが切れた。9時の時点ですでにリミットの5尾を持っていて、ウエイト的は8〜9Lbだった。しかしその後が続かず、そのままフィニッシュ。正確には8Lb12ozをウエイインしたが、初日の出遅れがあまりに大きかった。結果的に初日の穴を埋めることはできず、最終日に進むことはできなかったのである。
 この大会では結局、73位で終えた。正直、かなり落胆した。この成績が最終的に総合成績に響くことを考えると、帰りのドライブは本当に気が重かった。
 優勝はバスマスター・クラシック・チャンピオンのウー・デイビス。デイビスやその他の上位入賞者のパターンも私と同様に、下げ潮時にウォーター・チェストナットを攻略するものだった。
第10回
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第9回
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  またロックエリアの反応もよかったようだ。確かにプラクティス時にはロックエリアでスモールフィッシュを数尾釣りあげていたが、私にとっては決定的な手応えはなく、本戦ではチェストナットを中心にフリッピングで攻略した。もう少しその場の状況に合わせて、ロックエリアも回ってみればよかったと反省した。

 そして重大なことに気がついた。ノーザンオープン最終戦が開催されるスミスマウンテン・レイク大会でトップ10に入らなければ、私のツアー昇格は難しくなる。またトップ20でフィニッシュしなければ、オープン・チャンピオンシップも危うい。この第2戦で、私はかなり厳しい状況に追い込まれたといえるだろう。
 ところで、この大会でノリオ・タナベは12位、コータロー・キリヤマは18位といい成績を残している。私はカナダ人だが、アメリカは川を挟んで向こう側。大平洋を越えて挑戦している日本人たちと比べれば、ローカル・アングラーのようなものである。最終戦ではそろそろ実力を見せたいものだ……。

JON BONDY (オフィシャルサイト