It's the angling item that I've got extremely interested in telling poeple around.
FLYING' FISH
VIBRA-STRIKE
BEAUTY AND THE BASS
CIGER LURE
NITRO GREASE
POLAR BUFF
STROBE SCORPION
BASS PRO CARDS
PELLET
HAWGNOSE

オモシロアイテム求む!
basswaveオモシロ釣りアイテムを捜してます。ルアーに限らず、釣りに関係するモノであれば何でもOK。採用基準はショップやインターネットで購入できる現行アイテムです。オールドや発売中止のモデルは基本的にダメです。アナタのタレ込みが採用されても何ももらえません。スタッフが感謝するだけです……が、ちょっとしたプレゼントはあるかも。情報は[こちら]まで。
 

◇CRAVE BAIT社・NITRO GREASE◇

 「最後の手段」という言葉がある。英語で言うなら、「リーサル・ウェポン」。何をやっても結果に結びつかないときに、「仕方がない。アレを出すしかねぇようだな……」というシチュエーションで用いられるのが、「最後の手段」または「最終兵器」ってヤツだ。
 バスフィッシングでは、時に最終兵器は「“最強”兵器」でもある。僕ら一般のアングラーは好きな順番にルアーを使ったりする。どんな状況でも「まずはトップでしょ」なんてアングラーもいるはずだ。それでまぁ、釣れないときは最終的にノーシンカーのワッキーリグとか、ちょっと前ならダウンショットリグに行き着いちゃう。ま、遊びなんだから。好きな順番にキャストしていくというのも充分アリだと思う。
 勝たなきゃ意味がないトーナメントでは、「最後の手段」をはじめっから投げてる人もいる。もっとも、最初からダウンショットを投げるのが悪いなんてコトはない。昔はワームというだけで「エサみたいなもん使いやがって」なんて言われてたらしいけど、芦ノ湖のように規則で禁止されていない限り、何をキャストしようがアングラーの自由。実際、ライトリグに凝るのも楽しいしね。

 それでもまぁ、「最後の手段」というのは誰にでもあるんじゃないだろうか。ウチのボスの場合は、スプリットショットリグのスライダーワームらしい。なんでも、かつて取材した小山隆司さんの影響らしいけど、ホントに使いこなしてるのかどうかは定かではない。
 で、僕自身の最終兵器として長らくその牙城を守ってきたのは、ルアーではなく、集魚剤なんだよ。拍子抜けしたでしょ?

 少々古い話になるけど、1995年から数年間フロリダ州に住んでいた僕は、まずは町のローカル・バス・クラブに身を寄せた。最初は入会する気もなかったけど、これが釣りをするのにベストの環境だと気づくのに時間はかからなかった。なにしろアメリカはプライベート・レイクが多いし、たとえパブリック・レイクだったとしても日本みたいに簡単に陸っぱりができる環境じゃない。
 特にフロリダの場合、レイクの周辺がジャングル状態で容易に湖面まで近づけないこと、イイ場所だったとしても湖岸に家が建っていて勝手に釣りができないこと、毒ヘビやアリゲーターとか強烈な野生生物が待ちかまえていてヤブ漕ぎが危険なことも少なくない。日本みたいに「レイクの湖岸を歩いて一周」なんてことは、ヒジョーに稀。ボートランプやスロープの周辺ならできないこともないが、満足できるような釣りはできない。留学生のなかには親にバスボートを買ってもらった恵まれた連中もいるが、ウチはただの中流家庭なので、大学に行かせてもらっただけでも感謝しなきゃならない。マイボートで釣りするなんて、天変地異が起こるよりありえなかった。

 ってことで、地元の釣りクラブに入会することにした。ノンボーターとして出場すれば、ボートに乗っけてもらえるし、いろんなレイクを転戦できるし。非常にオイシイ話だ。大会は毎月1回あるし、釣り場はフロリダ州内に限定されていたが、オキチョビー、トホ、セントジョーンズ・リバーなど、いろんな所に行った。だけど、クラブメンバーがやるのは、どこに行ってもフリッピングなんだよね。御当地テクニックってヤツか?
 彼らの釣りの80%、スゲー人になると丸一日フリッピングだ。そんなスポットに連れて行かれたら……っていうか、ボートは厚さ数10cmのウイードベッドの上に浮いている。そんな状況じゃ、フリッピング以外にやることはない。1ozシンカーでさえ、ウイードを突き破って水中にルアーが届かないから1.5ozシンカーはマストアイテムだった。ロッドは、日本製のように軽いものがないから、メチャメチャ重いフリッピングロッドを使用。翌朝目が覚めると、僕の腕はフリッピングロッドみたいにカチカチになってた。

 湖のど真ん中のウイードベッドでフリッピング。「ホントに釣れるのか!?」と不安になる。パートナーに「ホントにここにバスがいるの?」と聞くと、「これを使え」と集魚剤を手渡された。「俺もどこにいるのかわからん。だから、集魚剤をぶっかけてバスを集めるんだ」とパートナー。「なるほど〜」と感心したが、瞬間的に「さずがアメリカ人!」と別の意味でも感心させられた。

 集魚剤は、シャンプーっぽいボトルに入ったものや、スプレータイプなど多種あるけど、どれもシュっと振りかけるタイプが多い。風のある日はよく考えて振りかけないと、霧状になったフォーミュラが自分に振りかかる。バスは寄るかもしれないが、ギャルは去ってしまうほど強烈なニオイが1日中服に染みついてしまう。集魚剤がついた手で鼻を触ったりなんかすると、オェーっとなって撒き餌まで湖に……というのは大袈裟か。そんな欠点はあったものの「こんなんで釣れるワケねーじゃん」と半信半疑だったある日、集魚剤をアレン社のクローワームにぶっかけてウイードホールに落としたところ、8パウンダーが釣れてしまったのだ。以来、集魚剤を見かけると、「こりゃ〜釣れそうだねぇ〜」と思うようになってしまったのだ。

 前置きが長くなったが、今回紹介するのは、U.S.オープンのレセプションで参加選手に配られた集魚剤「CRAVE BAIT社のNITRO GREASE」。U.S.オープンに出場した野本淳さんに聞いたところ「バイトもないし、『もらったフォーミュラでも付けてみっか』って使ってみたんですよ。白いのを使ったんだけど(4色が発売されている)、1投めで釣れたんですよ。『またろくでもないもの作って』って内心思ってたんだけど、結構いいなって思った」と話してくれた。う〜ん。よさげ。
 こう言われたら、自分でも使いたくなって当然。なにせ我が最終兵器なだけに、使うしかなかった。それでカスミに釣行した際に持参したが、釣れない……(今のカスミは難しいんですよ。言い訳だけど)。困った。そこでW.B.S.クラシックの数週間前に安藤毅さんにコッソリと渡しておいたのだ。すると本戦中、安藤さんが「気分転換にアレ、使ってみましょうか」と持ちかけた。本来なら「いや、大事な試合中ですし、いつもの調子でいった方がいいッスよ」と遠慮するのだが、「ぜひお願いします」と即答してしまった。すると安藤さんは、ナイトロ・グリースを取り出すと、迷いなく塗りはじめた。

 従来の集魚剤とナイトロが異なる部分は、ナイトロは基本的に固形でヘアワックスのような感じの状態であること。スクリュートップのフタを回して開けて、ワームを擦りつけて“塗り込む”。フタで密閉されているから、漏れた液でボート上が汚れたりしない。固形なので、そもそも垂れる心配がないのだ。ただしワームに塗るとき、必要以上に“ギュッ”と力を入れるとワームから指がズレてモロに触ってしまう。形状がどうであれ、ナイトロ・グリースもフォーミュラである。直接触ると指がネバっこくなるし、ニオイが……ねぇ。

 で、ワームに集魚剤を塗った安藤さんは、いつもバスがついていると語る沈みモノにキャスト。コツコツとボトムを取っていると、なんと1投めでヒットしたじゃないか! 釣れたのはニゴイだったが、少なくとも“僕は満足”した。恐るべし、新型フォーミュラ・ナイトロ・グリース。ナイトロはしっかりしたクリーム状なので、リングワームとかジッパーワームのようにリブがあるワームに塗ると、そのリブの間にフォーミュラが詰まって集魚効果がよく引き出される(気がする)。ニオイはナマグサイ系ではなく、なんだか香ばしい(気がする)。

 発売元のクレイブ・ベイト社はフィル・マッキー氏と彼の友人2人によって2001年10月に設立された。マッキーさんは元々養殖トラウトの生産者で、その世界では名の知れた人物だそうだ。そのためか、クレイブ・ベイトが最初にリリースしたのは、トラウトをターゲットとした練り餌状のドー(クリーム状のパン生地のようなもの)と擬似エッグ(商品名はフローティング・アミノ・エッグ。オフィシャルサイトを参照に)だった。これらの商品、そしてナイトロ・グリースには生物学的刺激剤のSEXattract(パテント取得済み)が含まれていて、現在ジーン・ラルー社(Gene Larew)はこのSEXattractを用いてワームを製造してるそうな。クレイブ・ベイト社の製品は同メーカーのウェブサイトから入手が可能だそうだ。

 日本のメーカーでは最近あまり集魚剤の新製品を見かけなくなったが、ナイトロ・グリースはデザインもオシャレだし、固形という部分が新しくてイイ。ただし、間違っても友達の家の洗面所のヘアワックスの横に置いたりしないように。

CRAVE BAIT社・NITRO GREASEウェブサイトはこちらから。

(注: 以前は上記にリンクされたURLからクレイブベイト社のウェブサイトが見れたのだが、今はなぜかイーグルクロー社のトップページが表示される。でも、その下にはクレイブベイト社のEメールアドレスが掲載されてるし……。購入に関して調べたい人は、「CRAVE BAIT」や「NITRO GREASE」を検索エンジンで捜してみると、販売ルートが見つかるかもね)

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