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パート5:ニューヨーク州バッファローの巻

 今回はニューヨーク州バッファローに行ったときのストーリーを書いてみたい。でも、まずは「なぜバッファローに行きたかったのか?」から話をはじめないとね。私がバッファローを訪れた理由は3つある。
 まず私の古くからの友人であるランディーとティナ・カーターが私たちの町、ゲインズビルからバッファローに引っ越したことだ。だから彼らの新居があるこのニュータウンにも足を運んでみたくなった。いいハナシを聞いていたからね。
 そのいいハナシというのが二つめの理由で、妻のエレンと私はナイアガラの滝を見たことがなかったからだった。ニューヨークと聞くと多くの日本人はマンハッタンを思い浮かべるだろうが、ニューヨーク州は東西に広く長く、大都市と広大な自然が同居している。東の端は世界の中心として知られるニューヨーク市でも、西の端は五大湖の畔なのだ。そこにバッファローがある。だからナイアガラの滝がランディーの自宅から比較的近い場所にあると聞いたとき、「これは行って滝を見なくては!」と直感したのだ。
 なにしろ、ナイアガラの滝はカナダとの国境付近にある。私が住んでいるフロリダ州はアメリカの南端にあるため、「ちょっと見に行こうか」という距離ではない。なにかのきっかけがなければ一生見にいくことはないだろう。今回はそんなきっかけだったというワケだ。普通なら飛行機で行く距離ではあるが、今回はあえて自動車で行ってみることにした。長旅だったけど、ランディーたちに会えることを考えたり、景色を見たりして楽しい旅だった。BASSツアーに出ているアングラーたちは、こんな距離を平気で移動しているのだから恐れ入る。
 そして最後の理由は、それは言うまでもなく“釣り”だった。レイク・エリーはスモールマウスの宝庫だし、ナイアガラリバーにはトラウトやその他の魚も多い。有名なカナディアン・ワインの生産地は、川を渡ったすぐ向こう側にある。
 
 だから、私たち夫婦がバッファローでどんな休日を過ごしたのかイメージできたと思う。バッファローへのドライブは、約1週間かかった。まっすぐ向かえば短縮できたが、到着する間にアトランタ、シンシナティ、ヘレシー、ピッツバーグ、ワシントンD.C.などにも立ち寄ったが、これもまた楽しかった。バッファローとカナダの気温はおよそ12℃くらいで、暑くても23℃くらいだった。帰路の途中、サウスキャロライナ州やジョージア州に差し掛かると、また気温が30℃台に突入。「フロリダ州はもっと暑いのか……」と考えると、なんだかもうバッファローが恋しくなった。
 
 釣りに関しては、カーター夫妻が2回の釣行をアレンジしてくれた。最初のフィッシング・トリップは近くの小さな町にあるリザーバーでの釣りで、おもにバスとパーチが釣れるが、その他の魚も釣れるという。私たちは小さなバスを数尾釣ることには成功したが、期待していたグッドサイズやクラッピーは釣れず、ランディーの友人のドンもいいサイズを見せられなかったと言っていた。ホントはポテンシャルの高いレイクなのだろう……。すると、フロリダに戻って数日が経過して、ドンからEメールが届いた。どうも彼らは何日後にもう1度そのフィールドに行ってみたら、数尾のクラッピーと5パウンダーのバスを釣りあげたそうだ。私はどうもタイミングを逃してしまったようだ。
 別の釣行では、ガイドとともにナイアガラリバーでレイクトラウトのビッグサイズをねらってみた。ガイドによると、ここ数日間の猛暑が原因でレイクトラウトは川からレイク・オンタリオへと落ちてしまったらしい。そこで彼はレイク・エリーに行ってバス釣りをしようと提案したのだった。もちろん、バスフィッシングが大好きな私には断る理由などない。
 この日は土曜日の朝にしては静かで、涼しく楽しい時間を過ごせた。ガイドにセットしてもらい、ランディーと息子のティムはライブベイトのダウンリンガー(小魚)を使い、私はワームをチョイスした。すると彼らは20尾ほどのバスを釣り上げたが、私は外道中の外道、4パウンダーのドラム(タイに似た淡水魚)を釣り上げただけで終わった。ガイドも気を使ってくれて「バスはルアーにバイトしたくない感じだね」と言っていたが、正解だった。

 ランディーとティムは5パウンダーのスモールマウスを釣りあげ、そのうちの3尾とビッグサイズのパーチ3尾を持って帰り、ディナーのおかずにすることにした。私自身がキレイに捌いて、料理したが、味も格別だった!
 翌週の月曜日には、ランディーとティム、ノーナがガイドとともにレイクに出て、またバスを20尾くらい釣りあげたそうだ。
 私たちもカーター家族の近所に住むデイビッドと川で釣りをした。釣果はたいしたことはなかったが、新しく友達になったデイビッドと時間を過ごせて楽しかった。またいつかこの地に戻ってきて、バッファローのフィールドを探索してみたい。
 

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