2005年02月01日

ZERO-ONE MAXに明るい兆しを見た

今日のオススメ曲「Joe NicholsのBrokenheartsville」

 1月23日についにZERO-ONE MAX(以下:01MX)が旗揚げ戦興行を行なった。実に長い道のりだった。前身であるZERO-ONEが崩壊して新団体の01MXを発足。12月後半から01MXが主催する興行をプレ旗揚げ興行として数大会を開催してきたが、やっと本当の旗揚げ戦に漕ぎつけた。この興行も素晴らしい内容だったが、個人的には1月10日に行われたプレ旗揚げ戦が印象に残っている。この興行が旗揚げ戦を成功させたといっても過言ではない。

 この興行は見るところが多い。4WAYあり、外国人選手の試合あり、AWAのベルトをかけたトーナメントありと、それぞれの選手が課題を持って挑んでいた。その中で僕が注目したのは、大谷晋二郎vs佐藤耕平戦である。

 まず大谷-佐藤戦は「AWA日本代表選手決定戦Aブロック代表決定戦」として行なわれた。勝者はメインイベントでBブロック勝者と2戦めを闘うことになる。体力的にも素早く試合を終わらせてリセットするのが一般的だが、大谷は佐藤の腕を集中攻撃を食らわし、長期戦に。
 大谷の攻めは、若手レスラーを鍛え上げる道場風景そのもの。関節を極める、締め上げる、投げる、落とすとプロレスのねちっこさ、怖さ、粘り強さを耕平に叩き込んだ。その試合内容たるや、大谷の一方的な攻撃で、“攻防”の面白さにかける部分も確かにあった。ところが、最後は耕平がスープレックスからスリーカウントを奪い勝利する。
 あの負けずキライの大谷が、そう簡単に星を譲るとは思えない。次世代のレスラーを育てるために、あえて耕平を決勝へ進ませたのかそれは大谷の心中のみが知る部分だが、もし星を譲ったのであれば、どれほど悔しかったことか。多くのレスラーはワガママでナルシストで、自分が一番輝いていたいと思っている。大谷はそんな選手の代名詞的存在だった。なのに大谷は、耕平に星をくれてやった。
 あの一方的な試合内容を見れば、大谷が闘いを通して耕平にメッセージを送ったのは確かである。やられても立ち上がる根性。それは高岩竜一と一戦を交えた浪口修にもいえることだった。踏みつけられても立ち上がる、相手に向かっていく姿勢。そこにはプロレスが最強たる所以が垣間見えた。
 相手の技を受けて、受けて、受けきって、最後は自分が勝つという方程式を用いてジャッジするなら、大谷は耕平にプロレスラーのあるべき姿を体現させた。
 
 今後、佐藤耕平は大谷の意志を継ぐ選手へと成長するのだろうか。大谷を倒した現在、耕平の新たな目標、刺客とは誰なのだろうか。それが佐々木健介であるならば、健介は耕平にとっていつまでも高い壁であったもらいたい。耕平を成長させられるのは、健介や川田利明、小橋健太のような絶対王者たちであろう。耕平は、今こそ外に出て多くのものを吸収すべきである。

Posted by DODGE at 2005年02月01日 14:16 in プロレス・格闘技