2004年02月02日

水野裕子はルアーフィッシング界の出島である

今日のオススメ曲「KillamanのPistol whipped 」
 
 今回は水野裕子さんをテーマに書いてみたい。

 「生態系を守る」だとか、「外来魚駆除」だとか、「リリース禁止」だとか明るい話題が少ない昨今のバス釣り界。私も自然を愛する人間のひとりだ。それが破壊されていくのを見るのは辛い。ましてや、「絶滅の危機に瀕している魚類」が棲息する池に食害の恐れがあるバスやブルーギルを密放流するのは断じて許せない。根本部分を考えるなら、ニジマスやコイ、ヘラブナ、アユの放流事業も止めるべきだし、護岸工事なども見直した方がいい。そう考えると、釣りという行為も否定されてしまうわけで、線引きが難しくなる。だいたい、このような問題を論じることすら面白くない。

 そもそも釣りは、面白いものでなくてはならない。趣味なのだ、リラックスできない遊び、明るい話題が少ない遊びほどつまらないものはない。数年前は頻繁にテレビでバス釣り番組が放送されていた。当時の構成内容はタレントがバス釣りを体験するのもが多く、高視聴率を獲得した。ところが現在、キムタクが釣りから去り、現在釣り番組に出てくるタレントといえば……有名どころではダウンタウンくらいだろうか。
 だが、ここで釣りの勢いが冷めてしまうのも辛い。できれば、またあの時の熱を蘇らせたい。バス釣りというよりむしろ、「エサを付けなくてよい手軽なルアーフィッシング」の楽しさを伝える番組がもっとほしい。そして今だからこそタレントの力が必要なのだ。ルアーフィッシングの救世主待望論は、今だからこそ唱えなければならない。

 白羽の矢が立てられたのは、タレントの水野裕子さんだった。彼女は「王様のブランチ」で名を馳せ、その後「ゴールデンマッスル」、「世界バリバリ☆バリュー」、「晴れたらいいね」、「タモリ倶楽部」に出演中。ラジオ出演やDVDリリースに加え、写真集まで出版している若手のホープだ。そんな彼女が「The Fishing」のなかで「水野裕子の釣りだーいすき?」というコーナーを獲得し、出演している。トラウトやシーバスをはじめ、手軽に女の子でも楽しめるレジャーフィッシングを伝えている。
 彼女には説得力がある。「ゴールデンマッスル」ではKUNOICHIの頂点にもっとも近いアスリートとして強調されているが、「王様のブランチ」や「世界バリバリ☆バリュー」で見せるアドリブの効いたコメント回しは、そこらへんの巨乳だからデビューできたアイドルとはまったく異なり、“使える”タレントの筆頭格だ。陰気な姿勢とは無縁のような笑顔で本気丸出しの水野さんの釣りシーンは、男性ファンのみならず、女性にも大いにアピールできるのではないかと思う。彼女なら「政治的ネタに振り回されるバス釣り業界、釣り業界を救い上げてくれるのでは!?」と切実なまでの思いを託せるはずである。

 ところが、テレビ東京系列土曜日の夕方番組では、活性化に繋げるには多少弱い。欲を言えば、大手民放のゴールデン枠で「釣りコーナー」を持ってもらいたい。そこまでしないと、ルアー釣りの楽しさを強烈に世間にアピールできない。CSの釣り専門チャンネルを否定するわけでもないが、「釣りコーナー」のゴールデン枠進出待望論はやはり大きい。専門チャンネルはコアな部分を突き詰める、民放ゴールデンではエンターテイメント路線、いわゆる楽しさを伝え、釣りに興味を持たせる方向性と二元化し、棲み分けをすればいいのではと思う。それぞれの役割分担がいい雰囲気で直進すれば、おのずと明るい未来が見えてくる気がする。
 ゆえに、水野裕子さんには、その知名度をフルに活用し、世間に向けてルアー釣りのよさを発信してもらいたい。その結果として、90年代半ばに起こったルアー釣り黄金時代の再構築に繋げられるはずだ。

Posted by DODGE at 2004年02月02日 13:13 in 2004.1〜4月