2004年01月27日

深江真一さんってスゴイね

今日のオススメ曲「HELLBASTARDのNatural Order」

 深江真一さんを深く知っているわけではないので、客観的に見た観点で書くが、今回の結果(FLWツアー第1戦4位)を見て単純に「スゲー人だなぁ」と感心した。昨年はJBワールドチャンピオンになって、オールスターも勝って、もう少しでスーパーバス・クラシックも制覇する勢いだった。昨シーズンの活躍はマグレかといえば、そのポテンシャルはずっと前から開花していたわけで、彼は常に日本を代表するトップアングラーの一人であり続けてきた。それでもここまで快調に自分のリズムで闘えるアングラーはそういない。

 そんな深江さんは海を渡って、FLWツアーという新天地で勝負に挑んだ。釣りは自然や魚との対決であって、他のコンテンダーとの闘いではない。どれだけ多くの有名プロアングラーが出場していようと、本来、人為的要素はフィッシング・プレッシャーをのけて、さほどないと考えていい。言い換えれば、FLWツアーであろうが、BFLであろうが、深江さんに実力がなければ勝てないということだ。
 ところが、上記したように、深江さんの実力は証明済みである。今回のFLWは、田辺哲男さん、並木敏成さん以来のビッグネームの参戦。ただし“現役”を継続させたままの渡米を考えると、並木さん以来といえる。

 「アメリカでやりたい」と願うアングラーは多い。私だってプロアングラーではないが、出られるのであれば出てみたい。しかし興味本意ではなく、それに生涯を捧げられるかが問題なのだと思う。たとえば、大森貴洋さんはグリーンカードを取得した。桐山孝太郎さんはアメリカで家を購入してしまった。彼らは完全にバス釣りで生計を立てることに、なんら問題を感じていない。言うならば、すべてを捨ててでもアメリカのトレイルに賭けたい、という人たちである。「バスでダメだったとき、まだバックアップがあるから」といった意気込みでは120%の実力を発揮できないのでは、と感じる。

 並木さんがバス・オブ・ザ・イヤーを獲得してアメリカに渡ったとき、私はちょうどフロリダ州の大学に通っていた。当時所属していたバス釣りのクラブの連中に「ナミキって知ってるか?」と聞かれ、日本一になったアングラーだよ、と答えたのを覚えている。翌年TOP150に昇格した並木さんはクラシック出場も果たした。仲間と「やっぱり、日本一になっただけあってスゴいなぁ」と話した。少しだけ鼻が高い気分になった。並木さんがクラシックに出場している日、私はそのクラブの大会に出ていた。スワニー・リバーで生涯初のスワニー・バスを釣っていた。

 そして深江さんもまた、日本一の肩書きでアメリカに挑んだ。
 深江さんのFLWツアー第1戦の戦略がサイトフィッシングだと聞いたとき、「これはイケる!」と思った。日本人の技術は高い。バスが確実にいる場所で釣らせたら、アメリカ人に釣果で勝るだろう。ゆえに、見えているバスをねらって釣るサイトパターンなら、上位にくい込むだろうと確信できた。結果、4位入賞を果たした。
 しかし「日本一」の肩書きがあるがために、試される部分も多いだろう。大コケした場合、「チッ、これが日本のAOYの実力か!?」と見下されるだろうし、注目がプレッシャーにもなる。「これがジャパニーズ・アングラーのレベルか!?」とも捉えられるかもしれない。これに関しては、深江さんだけではなく、他の日本人アングラーにも言えることだ。
 しかるに一方で、深江さんの実力や結果を通して大会やトレイル全体を見ることで、その団体のレベルやレイクの難易度がわかる。今季、深江さんが好成績を残したと仮定する。「なんだ、深江にできるなら、俺でも出きるな」と感じるアングラーが国内から出てくるかもしれない。そうなった場合、アメリカのトレイルに日本人がたくさん出場する可能性もあるわけで、アメリカ人アングラーは深江さんにやすやすと勝ちを渡してはならない。つまり、深江さんの参戦によって日米アングラーに相乗効果が生まれたといえる。
 
 また個人的には小島宏さんにも期待している。話によれば、アラバマ州に家を借りてそこをベースに活動するらしい。エバースタートに参戦予定というし、比較的日本のフィールド条件に近いといわれる西海岸に行かなかっただけでも男気を感じる。是非とも頑張ってもらって、目指すはエバのチャンピオンシップ・クオリファイ、そして優勝をねらってもらいたい。

Posted by DODGE at 2004年01月27日 17:12 in 2004.1〜4月