2004年01月07日

霞バスの減少と新パターン

Date: 2002-12-10 (Tue)

今回のオススメ曲「ピンクレディーの透明人間」

 W.B.S.のニュー・シーズンがスタートした。12月からスタートし、翌年7月の第5戦で一応はシーズンエンドを迎える。その後、クラシックが10月初旬に開催されるが、この名誉ある大会に出場できるのは、限られたメンバーだけである。

  ボクがW.B.S.を好きな理由に(もちろんJBや海外の団体も好きだが……)、国内トップレベルの選手たちが1年間霞ヶ浦だけで釣技するところにある。以前は関東で一、二を争うほど人気フィールドであった同湖は、数年前に比べ釣り客は減少し、関東首位争いからは姿を消した。
 減少した理由には、バスの個体数の激減にあると多くの人が語る。これはシロウトの意見だけでなく、魚類学関係者や職漁師がそう言っているのだから、ホントに減ったのだろう。
 
 では、「なぜバスが減ったのか?」ということである。
 「バスを気嫌う職漁師たちが、網で獲って他の“バス歓迎”のフィールドに売ったから」という意見。「水質悪化」を原因とする意見などが主なところだろう。

 ボク個人の意見としては、職漁師に罪はないと思っている。現在のカスミの漁師さんで100%漁だけで生活できている人はいない。つまり、漁だけで生活するほど漁獲高がないのと、淡水の魚を食べる絶対人口が減少したからだろう。しかし、漁をすることが生計を立てる一部である彼らにとって、バスを獲ることは、なんら他の漁と変わりない。むしろ、バスの方が高値で売れるというウワサを聞いたこともある。
 
 “バス歓迎フィールド”がカスミからバスを買い取りはじめたのは10年くらい前から。多く見積もっても15年くらいだ。カスミで異常なまでに釣れたのが、7〜10年ほど前である。これらを集約すると、カスミの職漁師が加速してバスを獲りだしたのはその7年ほど前からだろう。そして、2年ほど前からバスの個体数が激減したことを考慮すると、ナント5年間でバスを獲りつくした計算になる。
 乱獲というのは、このことか!? “乱獲”の部分では、彼らにも罪がある。
 
 水質悪化も見逃せない原因の1つ。カスミは昔は汽水湖だったということもあり、湖底にはそのころの土石がつもっている。それを最近では過剰なまでの浚渫で掘り返すし、水中塩分濃度が上昇しているという。淡水魚は塩分に敏感なので、バスのベイトフィッシュである小さな魚が最初に弱る。浚渫でドロも巻き上げるし、冬になっても濁ったままだし、泳げるカスミは来るのだろうか?
 でも、カスミや北浦でタナゴ釣りをする人によると、「水質は一時期よりよくなって、タナゴも随分と増えた」と言う。
 どちらにせよ、目で見た感じ、まだまだ水質悪化は修繕されていない。
 
 だからと言って、過去の栄光というか、「昔のカスミは釣れた」という事実にぶら下がっていては、現在のカスミで開催される大会で上位入賞は難しいだろう。今のカスミを想定したパターン、過去のパターンに囚われないストラテジーを掴み出すことが先決だ。
 昔はシーズナル・パターンが存在した。「春、バスはこのレンジにいて、このベイトをよく捕食している。だからパドルなんだ」とか、「晩秋、バスの活性は序じょに下がりはじめ、リアクションでバイトしはじめる。だからサスペンド系ミノーがいいんだ」とか。現状は、季節に沿った動きをバスがしていない……らしい。では、どんな動きをしているのだろうか?それを捜し出すのが、これからの課題である。
 
 銀行が倒産する昨今、当たり前が当たり前でなくなってもおかしくない。林俊雄さんは、「パターンがないのが、パターン」と言ったが、まさに名言である。要するに、鵜呑みにできないということである。
 
 だから、大会が終了し、優勝選手がインタビューに応え、その日のパターンを述べるが、今までは「そうか、じゃぁ、オレもその釣りをしてみよう」と。それでよかったと思う。
 でも、これからは、それを聞いた個人がそのコメントをどのように解釈していくかが、一番の問題だと思う。解釈の度合いは個人によって異なる。1つのコメントから100通りの解釈、回答が導き出される。それを次ぎの大会にぶつけてくる。だから、トーナメント・フィッシングを見るのは楽しい。

Posted by DODGE at 2004年01月07日 16:08 in 2002.11〜12月