2004年01月07日

吉田秀彦はスゴイ!

Date: 2002-12-04 (Wed)

今日のオススメソング「木之内みどりの刑事犬カール」

 PRIDE23は見たか!?
 高田vs田村戦は、試合前の映像、入場、選手コール、試合結果、試合後のマイクとどれを取っても、最高レベルだった。いわゆる“ガチンコ勝負”のPRIDEだけに、試合で1番目立った場面も語りたくなる。それが、吉田秀彦vsドン・フライの一戦である。
 
 吉田はスゴイ!
 バルセロナ五輪柔道78kg級金メダルの実績は、国内プロ格闘家としては最高の勲章。今までプロ格闘家界のトップといえば、小川直也の柔道銀メダルだった。
 おーちゃんの場合、試合後のコメントが冷めていることから、なぜかヒール的なイメージが強かったが、そういう客を手玉にとる方面でも吉田は光っている。
 
 8月のDynamite!でプロデビューを果たした吉田だが、PRIDE23、プロ2戦めにしてバーリ・トゥードの域に足を踏み込んだ。ホイス・グレイシーとのデビュー戦は、顔面パンチなしの特別ルールだったため、多数のファンが“ドン・フライ優勢”の方に回っていた。
 しかし、ボクはそう思わなかった。高田vs田村戦は結果を想像したくなくて現実逃避していたが、この吉田vsフライ戦は瞬時にその結果をはじき出せた。
 ボクは、「吉田の寝技、1本勝ち」と予想した。
 
 吉田が顔面アリのルールで戦うことは、これがはじめてであることは百も承知。彼は「(威力を知るために)フライのパンチを受け手みたい」と試合前にコメントしていたが、プロレスラーでもなく、プロ経験の浅い吉田が、たとえ殴り合いは観衆を沸かせるとはいえ、負ける覚悟で打ち合うはずがない。だから、「打ち合いたい」というのはリップサービスであり、れらいはグラウンドでの1本勝ちだと信じていた。
 吉田がプロ転向の意思をかためたとき、「柔道が最強であることを証明したい。柔道の楽しさを子供たちに伝いたい」と言った。それを証明するためには、元UFC王者であるフライ、百戦錬磨のバーリ・トゥード王のフライに寝技で勝つことが、もっとも大きな証明となる。
 吉田は、過去の栄冠を、自分のプライドを捨てる覚悟でこの試合に挑んだ。一方フライは、バーリ・トゥードからの撤退を宣言した老体レスラーである。体力的、精神的にもこの試合、吉田の方に分があった。
 
 結果、吉田が腕ひしぎ逆十字でフライの左肘を破壊することになるが、ここまでは予測の範疇だった。
 しかし、予測外の部分が2つある。1つはフライが何もさせてもらえないほど、吉田に攻められたこと。2つめは、意外と早く決着がついたことだった。
 あのフライが何もさせてもらいないほど吉田の攻めは完璧だったのだろうか。また、アマレス出身のフライのグラウンド・テクニックが、まったく通じていなかったのか、ということである。
 
 どちらにせよ、吉田の完勝。
 フライはプロレスに戻るのだろうか。
 吉田はノゲイラやシウバから挑戦状を叩きつけられたが、近い将来、彼らとヤル日が来るのだろうか……。

Posted by DODGE at 2004年01月07日 15:28 in 2002.11〜12月