2003年12月16日

B.A.S.S.オープン戦に見るFLW勢の参入

Date: 2002-11-11 (Mon)

今日のオススメ曲「高田みづえの私のピアノ」

 いや〜、参りました。今シーズンからフォーマットが変更になり、オープン戦を秋に、ツアー戦を1月から5月にかけて開催するB.A.S.S.。大胆なトライだったと思う。それが仇と出たのか、やはりFLW Outdoorsと選手のフットワークの軽さには驚愕させられた。
 まず、FLW Outdoorsは、来シーズンからエバースタートの地区別大会にウエスタン戦を導入することを発表した。同団体代表のジェイコブスさんは、「西海岸でもメジャーな大会をやってくれという声が大きかったし、スポンサーや選手がTVをはじめとしたメディアに出ることで、みんなハッピーになると思ったから、西海岸進出を決定した」と言っているが、B.A.S.S.が西海岸から撤退したから、今がチャンスとも思っていた事実も認めている。

 彼らは、エバースタートやBFL、ウォールアイのトレイルも開催しているが、やはりメインはFLWツアー。ファンの注目度もツアーが一番高い。彼らの大会の運営方法は、以前から1月に新シリーズがはじまって、1ヶ月に1試合。6ヶ月間にわたってツアーの全日程を消化する。ツアー参戦選手の中にはエバースタートとと掛け持ちで参戦する選手もいたが、ツアーだけに集中しそれにかけている選手も多数いる。理由は賞金額が高いことと、ペイバック率がいいこと。オフシーズンは、別のことに時間が費やせること。それらはB.A.S.S.にはないものだった。
 
 しかし、B.A.S.S.は今シーズンからFLWのイイトコ取りをしたばかりか、B.A.S.S.ツアー戦を1月からスタートさせて、FLWツアーにぶつけてきた。しかも、オープン戦は秋に開催することにした。
 ここで発生したのが、FLW勢のオープン戦参戦のチャンスだった。FLWをメインに参戦する選手にとっては、基本的に6月以降なにもすることがない。チャンピオンシップに出場する選手以外はシーズンオフになる。そこで、彼らはエバースタートではなく、オープン戦を選択して参戦した。理由は3つ:エバースタートの場合、途中参戦になる。オープン戦に出て勝てば、臨時収入が入る。思わくば、バスマスアーズ・クラシックに出場できる。
 
 ただし、オープン戦とはいっても、FLWの選手にとってはそこは敵陣みたいなもの。特にB.A.S.S.本部にとっては「オマエら、オイシイときだけ来やがって」と思っているかもしれない。
 結果的に、オイシイときだけ参戦して、オイシイところを持っていってしまった選手が2名いる。ノーザン・オープン総合優勝のコビー・クレイガーとセントラル・オープン総合優勝のグレッグ・ハックニーだ。ボクとしては、「こんなのアリなん!」と思ったが、アッパレ。参った。
 オープン戦にはB.A.S.S.ツアー戦レベルの選手も多数参戦しているわけで、その彼らを押しのけて、総合優勝したのは事実には圧巻である。
 しかも、サザン戦の暫定1位はウェスリー・ストレイダー。彼もFLW系だ。
 
 「B.A.S.S.は歴史が古いし、FLWよりB.A.S.S.で勝つことの方が価値がある」という人もいる。でも、アングラーの実力は伝統とか関係なしに、試合をやればすぐに答えがでる。
 ツアーレベルの選手が参戦するオープン戦でFLWの選手が揃ってトップを制覇した。これは、今年のクラシックに波乱が起きる可能性が高いということ。FLW勢がクラシックの上位に食い込んでくる可能性も高い。
 
 これの何が面白いかというと、やはりB.A.S.S.とFLWがある意味、敵対組織であるからだろう。FLWとしては歴史も浅く、「自分たちの好きなこと」をやってるわけだが、B.A.S.S.としては外圧というか、押し上げというか、先駆者としてのプライドもある。FLWは気にしていなくとも、B.A.S.S.はFLWの一歩一歩のムーブが気になって仕方ないわけだ。
 そこへ、FLW勢がクラシックに出場する。これは客観的に見ている立場として面白い。
 実際、B.A.S.S.ツアー参戦選手の中には、FLWに同時参戦している者もいて、ケビン・バンダムはいい例だ。生粋のB.A.S.S.アングラーたちは、FLW勢にだけは負けたくないという感情的なものがあるんじゃないか、と想像して止まない。
 FLW勢にとってはFLWツアーという、帰る場所があるわけだ。クラシックで負けたって、“地元FLW”でまた来シーズン頑張ればいい。彼らには変なプレッシャーは少なく、思いっきり釣りができるはずだ。
 
 今年のバスマスターズ・クラシックは、B.A.S.S.とFLWの交流戦ではなく、対抗戦だ!

Posted by DODGE at 2003年12月16日 21:44 in 2002.11〜12月