2003年12月16日

魚類生態学の本を読みはじめました

Date: 2002-07-15 (Mon)

今日のオススメ曲「DeicideのBehind The Light Thou Shall Rise」

 今回の「琵琶湖リリース禁止・条例化問題」が起こったことで、ボクにとってこれは緊張感や危機感を与えてくれたとともに、バスについてさらに知りたくなった。自分自身、バスに対しての知識はあった方だと思っていたが、結果的にそれは釣り人としての知識に過ぎなかったことを実感した。
 今までに多数のバス関連の書籍を読んできたが、それは“バス釣り関連の本”だったことに気がついた。今更ながら、かなり情けなかった。ちょっぴり落ち込んだりもした。
 「知らないクセに生意気なこと言いやがって、オマエはバスの何を知ってるんだよ!」と害魚論者に影ながら言ってきたが、無知だったのは、ボクの方だった。

  それもあって、「今からでも遅くないかも…… ?」と思い、いろいろとバスの本当の生態に関する釣り以外の本を読んでいる。すでに2〜3冊は読んだのだが、その中には“脱ダム関連”の書籍もある。バスには直接関係ないが、ダムを作るにあたってどれだけの自然が破壊させるかを知るためには、手っ取り早い。
 
 ここ1、2週間の間に読んだ本の中でもっともセンセーショナルなものを紹介しよう。それは、つり人社から出版されている「ブラックバス移植史(金子陽春・若林務)」だ。
 この書籍はずっと事務所の本棚にあったのだが、「ただのバス釣り本だろう」と気にしていなかった。だが、内容は全然違っていた。
 
 同書は「ブラックバスの移植のルーツと習性(金子陽春)」からはじまる。金子さんは、「日本におけるルアーフィッシングの先駆者として、JLAA(日本擬似餌連盟)を創設、その初代会長を務められた」と同書の「解説」にある。
 もともとこの「ブラックバスの移植のルーツと習性(金子陽春)」は、つり人社刊の「ブラックバス」に掲載されたのもで、1984年に出版されたもののようだ。
 
 この項の1ページめには、このような文がある。
 「ブラックバスが、ギャング、害魚としてののしられようと、それが正当な、そして公正な学術的探求のなされた結果に基づいての非難でであるならば、私はあらゆる罵倒も告発の甘受したであろうと思う。しかし、一般の害魚論は、学術的根拠に支えられるものではなく、自らの、そして地域的エゴを防守するための偏見と誤解による感情論を主流とした論議が前面に押し出されている」とある。
 しかも第2項の「『赤星遺稿』について」には、「日本において、赤星鉄馬氏をおいてブラックバスはなく、『赤星遺稿』を読まずしてブラックバスを語る資格はない」とまで期している。
 18年前、すでにこのようなことを書いていたのかと思うと、単純に“スゴイ”と思わざるをえなかった。
 
 全体的な同書の内容は、どのようにバスが輸入、移入され、どのように密放流以外の方法で全国の湖沼に放流されたのか、である。まさにブラックバス移植史だ。歴史的背景を見ることで、バスを再理解するための第一歩となる1冊だった気がする。

Posted by DODGE at 2003年12月16日 21:24 in 2002.6〜10月