【1日目】

 待ち合わせ場所で本日のパートナー、ラスティー・ブラウンを待っていると、待ち合わせ時間より早く、黒い車に、黒いレンジャーを引っ張ったラスティーが現れました。第7フライトだったので、まだまだ時間はありますが、ラスティーは緊張したようすでボートを念入りにチェックしています。私も緊張をごまかすかのようにラスティーと会話をしながら、スタートの時を待ちました。

 スタート後、ボートを走らせ、メインレイクに出てみると、思っていたより風が強く、レイクも荒れ気味でした。スタート前の会話ではオーバートンと呼ばれるエリアまでロングドライブをするとのことでしたが、セフティーにいこうといわれ、比較的近場のナローズという渓谷を抜けたところでウロウロとしはじめました。行くスポットがないのかなと多少不安を感じましたが、その場所は、細かな岬が点在しており、メインレイクのボディーウォーターに面しています。その複数の岬から作られたワンドは適度に風が吹きつけられていて、ベイトも風で押し寄せられている気配がありました。私がよい条件が揃っているなあと思っていると、ラスティーはそのエリアでエレキを降ろしました。


 
 
 
 ラスティーは、その岬からワンド内にかけてをシャドラップでチェックしはじめました。私は風が当っている岬側はスピナーベイト、ワンド内はトップウォーターでチェックしはじめました。1時間ほどこのような釣りをしていると、ラスティーがキーパーギリギリのバスがヒット。ランディング終了後、ハイタッチをし、アメリカを強く実感しました。U.S.OPENはチーム・トーナメントでネットの使用が許可されているので、パートナーが魚をかけるとネットでヘルプするのが普通です。つまり、2人で協力することが基本なので、自ずと絆も深まっていくのです。
 しばらくノーバイトが続きましたが、私も負けてられないと思い、より丁寧に岬をスローロールで攻めると待望のヒット!! 上がってきたのは2ポンドオーバーのナイスフィッシュです。ネットに収まったとき、思わず拳を握り締めてガッツポーズ。アメリカのトーナメントで初バスがグットフィッシュなんて、私も興奮していましたが、ラスティーも興奮していました。「あと3匹だ」と言いながら、再度ハイタッチしました。このあともラスティーが立て続けにもう2本キーパーを取ることができ、リミット達成までのカウントダウンが1になりました。しかし、日も上がり、暑くなってからはバイトが遠ざかり、釣れてもノンキーパーでした。ラスティーも私も「あと1匹」という言葉を繰り返すもリミットメイクには至らず、トーナメント終了の時間になってしまいました。
 帰りがけにラスティーは、「日本人とは初めてパートナーになったけど、とてもよい釣りができたよ。」といってくれ、感謝されたことをとても嬉しく思いました。結果だけでなく、こういった交流ができるのもU.S.OPENの魅力だと改めて感じました。
 この日の結果は6.11ポンドで40位。まだまだ初日なのでこれからどう転ぶかはわかりません。ちなみにゲーリー・ドビンスがパートナーだった妻は7.21ポンドで22位とまずますのスタート。妻は何匹かノンキーパーは釣ったようですが、ナイスキーパーをラインブレイクでバラしてしまったとのことでした。