2004年01月16日

ワンワン方法

Date: 2003-12-01 (Mon)

今日のオススメ曲「ABORTEDのThe Saw And The Carnage Done」

 さて、スクール☆ウォーズのネタもそろそろ大詰め。つーか、そろそろ終わりにしないと、自分でも飽きてきた。だから、今日で終わりにできるかなぁ……と。

 その前に、元極真会館出身の数見肇の近況を報告すべきだと思う。なんとあの男が、我がパンクラスのリングに登場したのだ!今や総合格闘技をプロモートする団体やイベント会社は数あれど、パンクラスほど最強の格闘スポーツを目指し進化してきた団体はない。船木や鈴木率いる軍団に数見が挑んだ。

 明確にいえば、試合をしたのではなく、演武を披露した。時は、11月30日、パンクラスの10周年を記念する興行、両国国技館大会。この日は現在進行形のパンクラス最強レスラーを決定するヘビー級のタイトルマッチが菊田と近藤の間で行なわれた。その他にも超目玉級のカードが用意されていたが、数見の演武ほど未来を見据えたものはなかった。
 この元極真空手全日王者は極真から独立し、今では個人道場として「数見道場」を創設した。数見がそこで何を模索し、生徒たちに教えているのか。極真との差はどこにあるのか。だが、それは去る10月30日に開催された数見道場初のイベントで明らかとなった。
 数見の方向性は、他武術と相まみえたときにも対応できる総合空手であり、全局面打撃空手だったのだ。K-1、UFC、そしてパンクラスが旗揚げとなった1993年。この年、数見は全日本チャンピオンとなった。ところが、立ち技最強を決定するK-1、レスリングに打撃を多分に含んだパンクラス、誰が一番強いのかを簡単に決定づけられるUFCが登場したことで、「ただ空手界の頂点に立つだけでいいのだろうか」という迷いが生まれた。あれから10年が経過した。「ただ空手が強いだけじゃ、立ち技最強にはなれない」、「ただ空手が強いだけじゃ、総合ルールで勝てない」。そんな切実な思いはマグマとなって吹き出した。それが数見の求めた最強の空手論に繋がったのではないだろうか。
 数見は空手をはじめたきっかけを「ケンカが強くなりたいから」だったと言う。であれば、どんな相手を迎えようと勝たなくてはならない。それが、極真というルールで縛られた“競技”の中では表現しきれなかったのだろう。彼は空手以外の格闘技への研究心でいっぱいだという。「グローブを付けたい者はつければいい。ルールは方針にしかすぎない」と空手における新天地開拓へと向かっている。
 その思いを胸に数見がパンクラスのリングで演武を披露した。誰もが世界最高峰の蹴りに翻弄された。「あの蹴り一撃でOKするシーンをパンクラスで見てみたい」と誰もが感じたはずだ。これは、数見とパンクラスの交流のはじまりと見ていいだろう。すると今後は、「本格的にパンクラスへ出撃する可能性もあるのでは!?」と幻想を抱かなくては、プロレス者(もの)ではない。考えただけでも緊張感のある選手の参戦だ。PRIDEのようにコマーシャルでエンターテイメント性を売りにしたイベントではなく、出陣先はやはりパンクラスでなくてはならない。数見は、総合ルールにどれだけ対応できるのだろうか。こんなファンタジーがあるからこそ、格闘技観戦はやめられないのである。

 さて、待望(?)のスクール☆ウォーズ・シリーズにいってみよう。
 スクール☆ウォーズといえば、イソップこと奥寺浩(高野浩和)を避けては通れない。だけど、僕的には「誰かが死ぬ」とか「死んでいく」というストーリーは、最初からお涙頂戴に繋がるって予測できるから、あんまり好きじゃないんだよね。直接イソップのシーンじゃないけど、大木大助(松村雄基)が絡んでいる部分がやっぱり見所だと思う。
 だって、イソップが脳腫瘍で苦しんでてトルエンに走ったとき、大木は、
「先生、トルエン売ってる場所だったら、大体検討がつくぜ」。
大木、さずがは川浜一のワルだけある。トルエンの在処くらいすぐに思いつくんだもんなぁ。大木親衛隊の西村明子(坂上亜樹)と杉本清美(諏佐理恵子)だって、
「アタイらさぁ、昨日踊りに行ったら、あのイソップって子いたよ」って言ってるし。中学生のクセに、ディスコに踊りに行くって……。まぁ、今でも都内のディスコ(クラブ?)にもチュウーボーは出入りしているかな、別にいいか(いいワケない!)。

 スクール☆ウォーズでは3人が死ぬんだけど、個人的に、イソップが死んだときより、山崎加代(マネージャー・岩崎良美)が死んだとき、加代より下田大三郎(梅宮辰夫)が死んだときの方が泣けた。
 加代は、大木と名村直(富田圭子のお兄さん役・鶴見辰吾)がケンカをして、それを止めさせようと急いで交通量の多い道路を渡ってトラックにぶつかって死んだ。葬式で、大木が「加代さん、ゴメン。加代さんを殺したのは、この俺だッ!」って涙ながらに叫ぶシーンはヤバいよ。くるもんがある。
 大三郎が死んだときは、閉店後の新楽(大三郎の中華料理屋)で嫁の夕子(和田アキ子)が声を出してワーンワーン泣くシーンがあって、あの気の強い夕子が一人暗い店内で泣いてるのを滝沢先生が後ろから見つめるんだよね。ゼッタイに泣ける名場面。
 だから、イソップ<加代<大三郎の図式が成立する。

 名村直は「黒騎士」ってバンドを組んでるんだけど、あのバンドのライブ映像収録のために使ったライブハウスは東京都国立市に実在するらしい。
 で、この名村っていうか、鶴見辰吾は歌がヘタなんだよ。あのころのアイドルって、なんでもかんでもレコード出してたから鶴見辰吾も出してたかもしれないけど、今でも俳優として残ってるところを見ると、演技はよかったんだな〜って痛感させられる。
 名村直の名言は、「七光りは、親父のハゲ頭でたくさんだ。俺は実力で勝負するぜ。ロックに家柄なんて関係ねぇからよ」。一応、ロックの精神は知ってるようだったので、安心。

 ハリー・マクガイヤーってガイジンに目をつけないとマニアにはなれない。大木がラグビーを辞めると言って飛び出したあと、みんなで捜していたら、大木とハリーともう1人(日本人のワル)と出会った。先生が大木に部に戻ってこいと言うと、
「それほどまで言うんならよ、勝負で決めようじゃねぇか。こいつはハリー・マクガイヤーって言うんだけどよ、ハイスクールのアメリカンフットボールの名選手だったんだ。走ることじゃ誰にも負けたことがねぇって男よ。こいつに俺の代理をしてもらう。先生も足で鳴らしたラガーマンだ。これなら互角の勝負だろう」。
そんな名選手が日本で、川浜で何をやってたんだろう……と疑問を持つのはヘンか!? 名選手なんだったらプロにだってなれただろうし、グレてワルになったとしても、なんで川浜にいるの?不思議でたまらん。

 大木の親衛隊兼マネージャーの杉本清美(諏佐理恵子)ちゃんは、ホントにカワイイーんだぁ。顔もカワイイけど、言うこともカワイイ。たとえば、やることがいっぱいあると、「タコのハッチャンみたいに手が8本いる」と言ったり、縫い物したら間違って「ダメだこりゃ」って言ったり、極めつけは、
清美:「ねぇ、みんな聞いた?アタイたち“ワンワン方法”忘れていたんじゃない?」
大木:「ワンワン方法?なんだよ、それ」
明子:「ひょっとしてさ、それさOne for All、 All for Oneのことじゃないの」
清美:「それそれ」
 カワイイから許す。

Posted by DODGE at 2004年01月16日 18:40 in 2003.9〜12月