2004年01月16日

BSE再発

Date: 2003-10-09 (Thu)

今日のオススメ曲「TestamentのDemonic Refusal」

 私がアメリカにいた4年間、生活をする上でもっとも気をくばったのは、食事の問題である。健康保険には加入していたが、たとえば事故で怪我をしたり、遊んでいて骨折したりというのは稀なケースであり、予測不可能。一方で、風邪をひいたり、内臓系の病気にかかったりなどは、事前に自己管理で防げるものだと思っている。だから今でも風邪をひいたりすると、「自己管理を怠っていたのでは」と感じる。
 さて、話をアメリカ時代の食事に戻したい。食事面で健康管理をしようとした結果、向こうにいたときは、半ベジタリアン的な生活を送っていた。この“半”という部分がビミョーなポイントなのだが、要するに完全にベジタリアンではない。究極のベジタリアンは、牛乳やチーズはおろか、クッキーまで食べたい。なぜならクッキーは製造過程でたまごを使用しているからだ。私の場合は動物性タンパク質を摂取する目的で、週に1〜2度はチキンを食べていた。あとは、基本的に野菜のみの食生活。ポークを食べろと言われれば食べられたが、気が付けば、牛肉、いわゆるレッドミートに関しては、身体が受け付けなくなっていた。

  そんな私が日本に帰ってきて最初にぶつかった壁は、やはり食生活だった。日本でベジタリアンとして生活するのは非常に困難で、お金もかかる。ベジタリアン・レストランも少なく、社会全体がベジタリアンを受け入れていない気がした。郷にいれば郷に従うということで、少しずつ食生活の改善を試みた……が、アジャストするのに1年はかかっただろう。食べる意思があっても、内臓がついていかないのだ。身体が受け付けない食事を取ったときは、2、3日は調子が悪かった。
 そんな私も今ではジャンクフードを週に3回は食べたくなるほどで、家系ラーメンもへっちゃら。焼き肉も大好物のひとつとなった。食事的には健康的だったあのころから思うと、今は不健康そのものになってしまったが、一般日本人が美味しいと感じるものを同じ味覚で捉えられるのなら、これもいいかと思っている。

 前置きが異常に長くなったが、要するに今、大好物となった焼き肉がまた食べられなくなるのでは、と感じて止まない。理由はBSE(牛海綿状脳症)問題がまた勃発したからだ。
 今回の発見は、常識を覆すような事態である。生後23カ月という若い牛感染していると確認された。今までの牛は5歳を超えており、これだけ若い牛の感染は初めてのことだという。問題はただ単に牛が若いだけでなく、病原体であるタンパク質がこれまで発表されているものとは異なる構造や性質を持っている部分にもある。
 このニュータイプについては、感染ルートや感染力もはっきりしていない。動物実験などを通してデータを収集しても、時間のかかる問題である。肉骨粉の使用は禁止されているが、本当に完全に使用されていないのかも疑問視される。もちろん、肉骨粉とは別の感染源が存在するかもしれない。

 市場に出ている牛肉は検査を通ったものらしいが、その検査もキッチリと行なわれているのか疑わしい。BSE問題は沈静化したと思って矢先の発見だけに、また食卓に上る牛肉の量は減るのだろうか。これでまた輸入牛のシェアが増加するのかといえば、それも難しい。輸入牛については、つい最近関税を引き上げたところである。国が行なっている検査も重要だが、すべては生産者側の飼育過程にかかっている。国産牛を安全に食べられる日は来るのだろうか。

Posted by DODGE at 2004年01月16日 18:31 in 2003.9〜12月