2004年01月15日

横十間川の手こぎ和船

Date: 2003-07-29 (Tue)

今日のオススメ曲「松浦亜弥の桃色片想い」

 前回の江戸和竿に続いて、今回も江戸伝統の話題に触れてみたい。
 現来、江戸は水路が縦横無尽に都を巡る「水路都市」であったという。今ほど道路整備がなされていない時代に、スムーズにかつ速やかに大小の物を運搬する経路として、運河の利用は交通の便を重視した江戸最大の賜物だったのかもしれない。運河や水路を利用して運搬する文化は日本が発祥というわけでもなく、古代ヨーロッパも大いに利用されていた方法だ。超古代文明の文献によると、あのアトランティス大陸でも水路が大陸全体を覆いつくしていたというから、運河の歴史は古い。
 
 さて、江東区に横十間川がある。歌で有名な隅田川の東に位置する。ここには手こぎの和船があり、「和船友の会」が週一回のペースで無料乗船会を開催している。僕はいまだこれに乗ったことがないのだが、関西出身者にとって手こぎの江戸和船は、受け継がれた文化や伝統を肌で感じる絶好に機会である。
 これに乗ったからといって、江戸文化を知ったことにはならない。高層ビルが建ち並び、護岸された河川を下るだけの行為だが、なんとなく当時の釣り人が感じた風は受けられる気がする。
 休日に都内へ買い物に出かけることがあるが、人混みが大の苦手な僕にとって、同じ休日の過ごし方として足速にならない手こぎの和船乗船は、最高のリラクゼーションのひとつだと思う。
 
 さらに、「手こぎ」という部分も粋でいい。ガソリンや重油を使用したエンジン船では味わえない、ギコギコという風情ある音感と横揺れが、乗船者の身体にバイブレーションを起こす。大気が汚染された昨今の東京で、手こぎならでわの話題も飛び出すだろう。
 このような水路・運河利用が進めば、水上バスや水上タクシーの需要も増加し、道路渋滞も多少緩和されるかもしれない。
 夏の暑い日差しのもと、和船で川の風を受けるのも粋な休日の過ごし方だと思う。

Posted by DODGE at 2004年01月15日 18:39 in 2003.5〜8月