夏だけとは限らないが、ディープエリアを攻略するためには「いいディープエリア」を見つける必要がある。しかし、水面には目印などがないため、どこが「いいディープエリア」なのかがわかりづらい。わかりづらいだけにプレッシャーも低く、これを見つけることができればパラダイスが待っている可能性もあるわけだ。このディープ攻略について川口さんに聞いてみた。
 「水通しのいいディープエリアとして挙げられるのは岬ですよね。馬の背ともいいますが、岬は比較的見つけやすいスポットだと思います。特に河口湖は山に囲まれていますから、山の尾根線をたどっていくと水中までその地形が続いていることが多いんです。だから、まずは周囲の山を見て、その尾根の先を探ってみるのが基本です。岬がいい理由のひとつは水通しがいいからです。なぜ水通しがいいのかといえば、風がワンドに当たって跳ね返ります。その跳ね返った先に岬があります。だから、水中では湖流が岬に当たっているわけです。当たっている側の反対側は湖流が緩やかになってますから、ベイトフィッシュがつきやすいですよね。そうすると、まさに“ピンスポット”になるわけですよ。ようするに1点にベイトとバスが集中しているということです。岬がいい理由のもうひとつは、尾根線がボトムに向かって伸びているからです。つまり、水深を問わずに地形の変化が続いているんですね。この尾根の上をルアーでなぞっていけば、その日のバスの居場所に辿り着く可能性が高いわけです。岬の上にボートポジションを取ってルアーをトレースすれば、どこかにバスのいるレンジがあるはずです」。
 バスのスポットとして基本である地形の変化。これが伸びているわけだから、どこかでバスやベイトフィッシュの居場所にぶち当たるというワケだ。実にわかりやすいではないか。
 しかし、これだけが夏の河口湖を釣り抜くためのエリアではないはず。でなければ、釣り人全員がディープの一ヶ所に固まってしまうからだ。
 「もちろんシャローもパターンのひとつに入れておくべきです。でも、夏は日差しがキツイですから、朝夕を除けばバスはウイードの中に入っているか、溶岩と溶岩の間、大きめの岩の影にいることが多いですね。これは全部シェードパターンです」。
 取材日、川口さんが最初にボートを進めたエリアは岬からワンドになったエリアだったが、運悪く、コイ釣りをしている人のラインが入っていたため、岬には入れなかった。そのため彼がとった方法が、このシェードパターンであった。このとき、川口さんが使用していたのはラバージグだった。
 「まず、ウイードのアウトサイドエッジとブレイクを意識して、3/8ozのラバージグを使いました。ウイードエッジにキャストして、カーブフォールでボトムまで落とす方法ですね。その後、さらにシャローに入って、ウイードの上にワームを置く方法でやりました。どちらもウイードのシェード、ブレイクのシェードをねらっていました」。
 ワッキーリグに使用するのは、ゲーリー・ヤマモト社のカットテールワーム。カラーはナチュラル系のソリッド系。ディープにこのリグをノーシンカーでフォールさせる場合、ウイードの背丈を考えること。ウイードとトップの背丈でバスのレンジが変わる
         
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