7月某日。basswave FIELD REPO- RTの「今週の河口湖情報」を毎週提供してくれる川口直人さんに、“夏の河口湖”についての話を聞きに行った。ここ数年は定期的にバスが放流されているだけに、他のナチュラルレイクと比べてもかなり釣果のいい河口湖。しかし、連日の猛暑とあっては釣果も人それぞれで、中にはさっぱり釣れないというアングラーもいることだろう。
 そこで、“夏でも安定して釣れるための秘策”を聞いてしまおう、ということになったのだ。
 「オレは秘策なんて持ってないですよ」と川口さん。いやいやいやいや、そんなことはないはずだ。こっちは洗いざらい話してもらうまで帰らないつもりなのだ。
 すると川口さん、「強いていえば、このご時世だから基本を大事にすることが秘策なんですよ」とボソボソっと話しはじめた。これが2002年夏、もっとも注目されるべき秘策だったのだ!
 「要するに、バスがどこにいるのか、何を求めているのかを考えるわけですよね。バス釣りで一番楽しいところですよ。大会とか取材で全国の湖、海外にも行きました。それで最初に考えるのは、基本ですよね。『夏だからトップ』といっても、フラットが続くワンドの真ん中で投げてもトップの意味がないわけですよ。
 じゃぁ、オレが大会で琵琶湖に行ったとしましょう。ボートを出します。ボートをちょっとだけ進めて、トップを投げないですよね。やっぱりトップに出そうなエリアに行くわけですよ。ということは、バスがいそうなエリアに行くのが基本なんですよ。ルアーチョイスはその後です」。
夏のパターンとしては、「ファスト・ムービング系からスロー系のルアーローテーションを考えること」と川口さんは言う。タフだからといって、スローな展開をはじめからすることはない
 
     

上2つと左下は、岬からワンドの中の写真。湖流や風の方向を見てからワンドに入ること。すると、ウイードの向き、バスのレンジがわかりやすく、バスに気配を悟られないままエスポットに入ることができる。右下は、レンタルボートのシェードパターン。夏場は日差し対策も重要

 では、夏の河口湖のエリアを聞いてみた。水通しのいいエリア、ディープが主体になるのだろうが、ほかにはどんなコトに気をつければいいのだろうか。
 「そのとおりですよ、ディープ + (プラス)水通しです。夏=(イコール)暑いという方程式があるように、バス釣りでは、夏=水通しなんですよ。だから、ディープ + 水通しじゃなくて、水通しのいいディープが重要になるわけです。これが釣果を上げるための夏の鉄則ですね」。
 そして、こんなことをつけ加えてくれた。
 「バスの放流をしているせいか、『河口湖はナチュラルレイクを使った管理釣り場』とか批判する声もあるんですよ。でも、実際はそんなことないです。河口湖漁協は確かに、『放流し過ぎ』というくらいバスを入れてます。でも、放流されたバスも半年から1年でネイティブ化するんですよ。だから、パターンフィッシングが当てはまります。それに、パターンを考えるからバス釣りは楽しいんです。まぁ、よく釣れる時期(5月中旬〜7月初旬)には、普段使ってないルアーを投げて、そのルアーの使い方を研究するってこともココではできますしね(笑)。それも河口湖の楽しみ方ですよ」。

Page #