その後、桐山は1998-1999シーズンのB.A.S.S.ウエスタンインビテーショナルにシーズン参戦。レイク・シャスタで開催された第2戦で初入賞(10位)、カリフォルニア・デルタで開催された最終戦でも18位入賞を果たした。残念ながらTOP
150(現在のバスマスターツアー)進出は逃したものの、年間成績を29位で終えた。
そして、この翌シーズンから桐山の快進撃がスタートした。
1999-2000シーズンの桐山は、なんとウエスタンインビテーショナルで全戦入賞を果たす。14位、13位、5位、31位という成績により、総合ポイントで2位を獲得。翌シーズンのTOP
150出場権はもちろん、日本人史上2人めとなる、
B.A.S.S.バスマスターズ・クラシックへの出場権を獲得したのである。ちなみに、レイク・ミシガンで開催されたこの年のクラシックでは4位という好成績を収めた。
その後の桐山の活躍は、まさに見事というほかない。
初めての参戦となった2000-2001シーズンのTOP 150では残念ながら振るわなかったものの、ウエスタンインビテーショナルでは再び入賞街道を突っ走り、17位、2位、11位、22位という成績。これにより、桐山は年間総合ポイントで3位となり、2年連続クラシック出場を果たしたのだ。
そして今シーズン。ウエスタンオープンでは総合成績を6位タイで終えたものの、驚異的なのは、ウエスタンにおける桐山の連続入賞が途切れなかったことである。アメリカ西部地区ではすでに無視できない存在となっただけに、来期のウエスタンオープン廃止は残念なことだといえるだろう。
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しかし、桐山の活躍はすでに西部地区だけのものではない。
なにしろ、今シーズンの桐山は全米を転戦するバスマスターツアーでも好成績を収めたのだ。レイク・セントクレアでの初戦で9位入賞を果たしたのを皮切りに、2年めのシーズンにして総合成績17位タイを獲得。これにより、堂々3年連続のクラシック出場を決めたのである。なにしろ、これまでに2回以上クラシックに出場した日本人は皆無なのだから……。まさに快挙だといえるだろう。
さて、この快挙を達成した桐山の“強さ”はどこにあるのだろうか。まず第一に挙げられるのが、彼のトーナメントに対する意識の高さだといえるだろう。さほど賞金額が高くない日本では、トーナメントの賞金だけで生活をしているプロアングラーは皆無だ。スポンサーからの援助や、副業で得る収入がなければ成り立たないのが日本の現実だといえるのだ。本場アメリカとはいえ、トーナメントの賞金だけで生活が成り立っているアングラーは決して多くはない。しかし、アメリカの場合はその額が大きいということもあり、賞金への依存度が高い。ハイリスクではあるがハイリターンでもある……。
そんな過酷な世界で自分のキャリアをスタートさせた桐山だけに、トーナメントの賞金というものに対する意識が非常に高い。さらにいえば、トーナメント以外の彼の生活ぶりは、非常に質素なものだといえる。無駄なことに経費をかけることなく、トーナメントだけに打ち込む集中力。これこそが桐山の強さであり、これは、あの大森貴洋にも通ずるものを感じる。
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