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アメリカで活躍するアングラーたち第1回 桐山孝太郎(3)

  釣りということに関していえば、桐山は環境の変化に対応するのが非常に上手いアングラーだといえる。桐山はドロップショットリグからフリッピングまで、特定のテクニックやルアーに固執しない柔軟な釣りを展開するタイプのアングラーなのだ。さらにいえば、彼は自分の釣りを常に進化させることができる点が優れているのではないだろうか。というのも、トーナメントに参戦しはじめたばかりの彼はライトリグ……たとえば、ドロップショットリグなどを苦手としていた。しかし、現在の彼にとって、すでにドロップショットリグは欠かせない存在になっている。クリアウォーターの多いアメリカ西部地区で多用されるリグということもあるが、彼がこのリグを修得した背景には人並み以上の努力があったはずだ。「これは苦手だから……」と敬遠するのではなく、自分の武器として身につけてしまう順応性の高さ。これも、桐山の強さだといえるだろう。
 
そして、桐山に関して特筆すべきは「根性」である。
今シーズンのバスマスターツアー第1戦では、ラフウォーターをものともせずにロングランを選択。まさに海のように荒れる湖面の中で、彼は初のベスト10入りを果たしたのだ。
「アマチュアのパートナーはビビりまくってましたけど」と桐山は笑っていたが、実際には多くのプロがラフウォーターのためにロングランを諦めていたという。アメリカでの生活が長い桐山だが、このあたりの「根性」は日本的といえるかもしれない。
 

































  実は以前、桐山に近年の好調の要因を尋ねたことがある。
本人は「まだまだだと思ってますから」と前置きしながら、こんな話を聞かせてくれた。
「自分の技術が向上したとか、そういう表面的な変化はないんです。強いて挙げれば、バスの動きというものがわかりはじめてきた感じですね。フィールド全体の中で、いいサイズのバスがどういうエリアにいて、そのバスがエリアの中でどのように動くのか……。以前は、そこまで考えて釣りをしなかったし、できなかったんです。このところ、特にウエスタンで大ハズシをしなくなったのは、それが大きいでしょうね」。
 さらに、驚かされるのは桐山の向上心の強さである。
なにしろ、これまで桐山が自分の成績に満足したという言葉を聞いたことがないのだ。トーナメントの後、彼の口から決まって出てくるのは「まだまだですよ」というひと言だ。
B.A.S.S.での優勝経験がないという理由もあるのだろうが、桐山は常に「もっと上」を目指している。3年連続でのバスマスターズクラシック出場。快挙ともいえるこの活躍をしながらも、おそらく桐山はこれからも「もっと上」を目指すはずだ。
これからのコータの活躍に、ぜひ注目してほしい。

 





 




 
 
 “コータ、今日はどうだった?”そんな質問にも流暢な英語で応える。留学時代に身につけた英会話も、桐山の大きな武器だといえるだろう  2001-2002シーズンでは残念ながらウエスタンの総合4位以内を逃し、6位タイにとどまった。やはりツアー昇格を逃した清水盛三と「お互い悔しいね」と苦笑い……  桐山の挑戦は、まだまだ続く。「もっと上」を目指して走り続ける“コータ”に、これからも注目してほしい
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