タナゴ釣りをはじめた理由を先に言うと……

 ある日総合釣り雑誌を見ていると、10本継ぎのタナゴザオが掲載されていた。漆塗りフィニッシュのそのサオはやたらと輝いて見え、しかも高級感バリバリのシロモノだった。10本継ぎで長さが5尺。要するに、5ftだよね。だから継ぎ1本が15cmという芸術そのものだったのだ。
 この瞬間、小学生のときに読んだ「釣りキチ三平」の「小さなビッグゲーム」が脳裏に過ぎった。それはタナゴ釣りの話で、身体のデカい外国人の人が三平ん家にやってきて、「ビッグフィッシュを釣るビッグゲームがしたい」みたいなことを言う。で、結局三平は「小さな仕掛けで小さな魚を釣ることも、切られまいと格闘するからビッグゲームだよ」みたいなことをいうものだった。それ以来、タナゴ釣りというものが、頭のどこかにあったんだろう。じゃなきゃ、この「小さなビッグゲーム」ってタイトルも覚えてるワケがないよね。
 それでその日、マンガ喫茶に行って釣りキチ三平を読み返してみた。それ以来、タナゴ釣りがやりたくて仕方がなかった。
 バスをはじめて17年が経ち、この17年間エサ釣りをしたのは、ほんの数回。でも、ボクは小ブナ釣りから釣り人生がはじまったという日本人ならでは過去がある。だから、ある意味、原点回帰ってことで、タナゴ釣りに挑戦してみることにした。
 
 それで釣りの仕掛けの本を数冊読んで、さらにW.B.S.のタナゴ名人(?)こと新谷一大さんに話を聞いた。すると、「タナゴはこれからが一番いい時期だよ。仕掛けは……」と、いろいろな知識を伝授してくれた。
 実際、タナゴをはじめるといっても、バスのようにプロショップがあるわけでなく、新谷さんに聞いてみても都内でも数件しかタナゴ用の釣り具を置いていることろしかない。タナゴをやる人は、道具を自分で作ることが多いらしい。
 
 インターネットでタナゴ用品を置いているお店を調べていると、北浦の延方からちょっと北に行ったことろに「たなご屋」という店があるのを発見。とりあえず、ここに行くことにしてみた。

新谷一大さんのウェブサイトでは、バス釣りのほかタナゴ情報も満載!)。

ま〜、このタナゴの仕掛けって小さいこと。ハリス止めにハリスを止めることすら、すでに困難……。シモリ浮きなんて、鳥の羽の芯に色を5回くらい塗って小さい玉をやっと見える大きさにする。次回はそのへんも紹介しよう
タナゴ屋のオヤジさんは実は昔、東京(北千住)に住んでいたという。ところ狭しと竹で和竿を作っている。オヤジさんのことも次回紹介しよう
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