(写真上)このオジさんが北浦爆釣スポット(?)に連れてきてくれた。丁度、この写真で見える対岸を指さして、「アソコならその仕掛けでも大丈夫だっぺ」とおしえてくれた

(写真下)釣り場を歩いていたら、このオジさんと遭遇。「いろんな釣りをしたけど、タナゴが一番イイね」と言っていた。手から釣れたタナゴがブラ下がってるのって見える?

仕掛けが違うやん……

 この「たなご屋」さんのオヤジさんは、ものスゴクいい人だった。「バスを10数年やってきて、エサ釣りは長い間やってないし、タナゴもはじめてなんです」と素直に言うと、「だったら、イチから教えてあげるよ。仕掛けはね……」と、とにかく丁寧に教えてくれるのだ。
 話を聞いていると、結構年輩のお客さんが多いらしく、ボクみたいな若いにぃちゃんは珍しいとか。しかも、ウチの奥さんもいつものごとく付いてきたから、「2人でタナゴはじめるのかぁ〜」と機嫌がいい。
 「たなご屋」さんのことは話せば長くなるので、また今度の機会に紹介しよう。
 
 で、このオヤジさんに教えていただきながら超極小の仕掛けを作り、釣行の準備をしていると常連さんがやって来た。この方もオヤジさんに負けないほどのいい人。
 「じゃぁ、オラがいいトコに連れてってやっぺ」ということになり、この方の車の後をついて行くと、そこはモロ北浦だった。白浜あたりかな……たぶん。
 ところが、これがアカン。何がアカンのかというと、ウチらの仕掛けは竿が1.2m。仕掛けも竿の全長に合わせて1.2mくらい。その北浦のスポットでは、タナゴが回遊してくるフィーディング・スポットまで?エサが届かん!エサを打ち込むのは、護岸から約4.5m。こんな“沖”に1.2mのサオはで太刀打ちできるはずがない。
 それで、ウチらはおじさんに比較的“ショアライン沿い”で楽しめるスポットを教
えてもらって、移動しちゃった。せっかく連れてきてくれたのに、ゴメンなさい。
 

 せっかく気分良く釣りを楽しんでいたのに、ギルの応酬に遭遇。まぁ、ギルでも釣れれば満足。だって釣れたギルは全部タナゴサイズ(3〜4cm)。これも意外と楽しい

(写真左上2枚)こんな雰囲気の中で釣るのって、結構風情があってイイッスよ。

(写真右上と左下) 今回、隣の家族連れが釣っていたのは、マタナゴとアカヒレタビラの小さいヤツ。次回はキレイに撮影できるようガンバリます

タナゴはゲームフィッシュやでぇ!

 教えてもらったスポットは水門を囲むようにアシが密生していて、水門の反対側には田んぼに水を引くためのホソがあって、タナゴ釣りのロケーションしては絶好。バスでいう、リザーバーの立ち木群みたなもんかぁ?
 とりあえず、水門横に座ってイトを垂らすと、バイトがある、あるッ!ワンキャスト・ワンヒットが続いた。
 「なんや、タナゴって楽勝やんけ〜。ほれ、また釣れたで〜」とウチの奥さんと言い合いながら釣りをしていると、彼女が、ブクブク付きクーラーを覗き込んで、不思議そうな顔で話しはじめた。
 「ん?ちょっと待った。このコらなんか変じゃない?縦に線が入ってるよ」と言う。
 「縦に線?何色?タナゴってほら、光ってキレイやし」と返すと、
 「タナゴより体高があるみたい……」。
 もしかして、マタナゴより体高のあるタイリクバラタナゴ、もしくはカネヒラかっ!と思い覗き込むと、ギルやん!よ〜くチェックしてみると、ブクブクに入ってる魚全部ギルやった……。タナゴだと思って喜んでた彼女にギルってことがバレると面倒なことになる……かもしれない。慌てて言い訳を考えた。
 「これはぁ、黒タナゴってヤツやねん」。と、僕。
 「ふ〜ん、黒鱒っていうのがいるくらいだから、黒タナゴっていうのもいるかぁ〜、ってダマサれるかい!これ、どこから見てもギルじゃん!ウチらのタナゴはどこ行ったの!」。
 と、こんな具合で騒いでいると、裏のホソから家族連れが帰ってきた。「こちらはギルばっかりなんですわ〜」と言うと、「風が出てきてタナゴよりギルの方が釣れるようになったから、向こうのホソに行ってたんですよ」と言う。
 すると、その人のお子さんたちが、「コレがギルっていうんだぁ。タナゴしか釣ったことないから、わかんないけど……」。と言うではないか。
 「なんやそれ、自慢かっ!嫌みか?」と子供相手にちょっぴりカチーンと来てしまった。もちろん、これは心の叫びだけどね。
 
 風があるとタナゴはストラクチャーにタイトにつきはじめるという。ここは水門があるだけにボトムは少なからず、チャネル状になっているはず。アシも大量にある。このコンディションでタナゴは、ストラクチャー、ブレイク、もしくはアシにタイトに付いたはずだった。それを感じ取らず、ウキ下をそのままにしたのが悪かった。タナゴがいなくなったミドルレンジには、サスペンドしていたギルが大量に入ってきたのだろう(たぶん)。
 また、ウチらはアカムシをエサにしたわけだが、家族連れはネリ餌。風が出ると、カレントも発生する。そのカレントでネリ餌が流れ、ハリからエサがなくなるのが速くなる(タナゴバリって、3mmくらいなんだよ、知ってた?)。風と流れは、ネリ餌の人には不利な状況だったのだ!
 しかしタナゴ釣りは奥が深い!タナゴは、まさにゲームフィッシュ。“小さなビッグゲームフィッシュ”だったのだ。
 
 というわけで、ウチらのタッグチームは、タナゴ釣り初試合で惨敗。タナゴ釣りの難しさを味わったわけだが、「このまま引き下がるワシらやないってことをタナゴに教えてやる」ということで、次回北浦・カスミ周辺に出没するときは、タナゴにリベンジマッチを叩きつけるつもりだ。次回タナゴ釣り編を掲載するときは、仕掛けなんかも紹介しよう。
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