テーマその1 「新潟県のリリース禁止について」パート2

 

 

 前回は新潟県においてバスやブルーギルのリリースを禁止する新潟県内水面漁場管理委員会指示についての疑問点を書きました。今回は前回に引き続き、この疑問について、もう少し突っ込んだ話を書いていこうと思います。

 

生態系とはなんなのか?

 この新潟県内水面漁場管理委員会指示の中では、バスやブルーギルの再放流を禁止する理由がたったひとつしか記されていません。それは「生態系への影響」です。確かに、バスやブルーギルは小魚や甲殻類、水生昆虫などを補食します。この点だけを見れば、間違いなくバスやブルーギルは生態系に影響を与えているに違いありません。ですが、ここで私は大きな疑問を抱いてしまうのです。それは、生態系とはいったい何なのかということです。生態系というのは、動物の食べる、食べられるという単純な行動や生態だけで成り立っているわけではありません。目に見える動物だけでなく、バクテリアなどの微生物、さらに、水源やその水域を取り囲む陸生植物までがその中に含まれるワケです。生態系というのは、途方もない年月をかけて自然が作り上げたバランスだといえるでしょう。そのように考えると、生態系を守るためにできることはひとつしかありません。それは、人間の手を一切自然に加えないということです。

生態系を壊し続けた人々

 このように考えると、バスやブルーギルの放流が生態系に与えた影響は少なくないといえるでしょう。それまで存在しなかった生物が移殖されれば、その地域の生態系は確実に変化します。その意味では、バスやブルーギルが生態系に与える影響を懸念する気持ちは大いに理解できます。ただし、ここで疑問なのは、この懸念を表わしているのが漁場管理委員会だという点です。もし、新潟県内水面漁場管理委員会がこれまで一切自然に手を加えず、環境の保護をしてきたなら納得できますが、現実はどうでしょうか。自然に手を加えないどころか、養殖されたイワナやヤマメ、ニジマスといった魚を放流しまくってきたわけです。「私たちが養殖して放流した大切な魚をバスやブルーギルに食害されて、経済的に打撃を受けた」というなら私も納得できます。しかし、これまでの無差別な放流事業を棚に上げて、「生態系への懸念」などというきれいごとを持ち出すのはどうしても納得できないんです。

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