テーマその1 「新潟県のリリース禁止について」パート2

イワナやアユも外来魚なんです

このように書くと?バスやブルーギルは外国産の魚で、それまで日本に生息していなかったじゃないか」と思われる方もいることでしょう。しかし、生態系というものを真剣に考えるなら……たとえ日本に生息していた魚であっても、本来の生息域にいなかったものはすべて「外来魚」として考えるべきなんです。つまり、養殖されたイワナや琵琶湖産のアユは他の河川では「外来魚」であり、日本の在来種といえどもバスやブルーギルと同様に考える必要があるわけです。現に、新潟県内ではかつてイワナとカワマス(北米原産のブルックトラウト)を交配させた魚を「イワナ」として放流した過去がありますし、県内には本来生息していなかったヘラブナ(ゲンゴロウブナ)も各地に大量に放流しています。もしも漁場管理委員会が本気で生態系を保護しようと考えるなら、今後一切の放流事業をやめ、すべての外来魚をリリース禁止にするべきでしょう。さらにいえば、自然下での放流事業がなければ成り立たない漁業などやめるべきではないでしょうか。自分たちの都合によって壊し続けてきた生態系を、いまさらバスやブルーギルのせいにするなんて、変ですよね?

「魚を殺せ」という恐ろしい規則

もうひとつ私が恐いと感じているのは、この規則が生命の大切さを無視したものだということです。たとえば、子供がミミズをエサに釣りをしていたとします。バスやブルーギルもミミズで釣れる魚なので、本人が望まなかったとしても釣れる可能性は高いでしょう。もしその子供がバスを釣り上げて、殺すのは可哀相だと思って水に返したとしましょう。……これは犯罪でしょうか? 新潟県内水面漁場管理委員会指示によれば、バスやブルーギルをリリースした場合には懲役1年以下もしくは50万円以下の罰金が科せられるそうです。これでは、恐ろしくて新潟県で子供に釣りをさせることなどできませんよね。実際、新潟県のみなさんは「生態系を破壊している張本人たちが生態系を懸念して作ったこの規則」について、どのように考えているのでしょうか。

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