US OPEN 参戦記  石川優美子
                                                 
【参加までの動機と手続き】
 とにかく1度でも良いからバスフィッシングトーナメントを経験してみたかった。ちょっとばかり、トーナメンターって言葉にも憧れたしね!時間が無い私は随分前から1回ポッキリのトーナメントを探していた事は事実である。フロリダには女性だけの夜間トーナメントが有ると聞いた。子育てをしている女性でも参戦出来るように夜間行なわれるそうだ。この時ばかりは子育てを旦那様にお願いして、参戦するらしい。
 昨年の春あれこれ考えている時に、今年3年連続クラシック行きを手にしたご存知、桐山孝太郎プロから『どーせなら、US OPENに出たら?試合の場所もこの前釣りをしたミードだし…』と言われたのだ。恥ずかしい話だが、この時US OPEN についての知識がほとんど無い私は詳細を聞くにつれどんどん参戦の意志が大きくなった。その動機はかなり不純である。ペアートーナメント形式なので1艇のボート2名で5本のバスを検量して結果が出る。つまり相手が釣ったバスも含めて5本と言う事だ。私がノーキャッチでも相手次第では、優勝出来るチャンスが有る……。さすがにラスベガス!一攫千金の夢が有る。そして第2の不順な動機は、宿泊するホテルに設置されているカジノだ。こちらも一攫千金の夢、人生一度しか無い!と言いながら何でもやってみたい私は、思いっきりカジノをやってみたいと常々思っていた。
 さて、参戦するのはどうしたら良いのか?現在のようにインターネットでも参戦するための方法が日本語で紹介される事は無かったため桐山孝太郎プロに相談すると「プロ登録する選手とペアーで応募すれば100%参戦出来る。僕の友達に聞いてやるよ」と快諾して頂いた。指定用紙に住所氏名、そして参加費を決済するためにカード番号を記入、約$700の参加費を支払って完了である。この$700だが、アメリカでガイドを雇って3日間の釣りをする事を思えば、賞金と言うクジ付き感覚である。ホテルは事前に指定ホテル名が解っていたのでインターネットから検索して予約を入れた。翻訳ソフトを持っている私にとって、簡単に英語と日本語を変換してくれるインターネットは便利である。全ての手配を済ませ、いよいよ賞金&カジノの一攫千金を期待し夢を大きく膨らませ、いざ出発!
 ラスベガスの空港からホテルまでの距離は、そう遠くは無いとは聞いていた。もちろん単身でのトライなので英語が苦手な私は、ここからちょっと心細くなってくる。ホテル名をメモした紙をドライバーに見せてホテルにたどり着いた。タクシー代は値切って(値切ったつもりになっていただけかもしれないが・・?)3000円程度だったと記憶している。
 ホテルに着き参戦するのだろうと思われる日本人の姿をちらほらと見かけると安心感は出たが、ほとんどの方は事前にプラクティスの予定が決まっている&通訳付きで、私とは偉い違いである。ゴージャスなツアーと貧乏ツアー程の差が有る事だけは確かだ。その他にもツアーで参加した方、もしくは英語がたんのうで何度も参戦をされている方、そして日本人有名バスプロの方達だから準備は完璧なのだと思う。他力本願の貧乏ツアーは私一人かな?
 さて、単身で初トライ、英語はダメな私はこれからが大変である。どうやら翌日からプラクティスが始まるらしいが……“出来る事なら、私も湖の様子を見てみたい。いつもの“当って砕けろ!何とかなる精神”で、エレベーター付近に待機した。なるべく“参戦するのかな?”と思わせるようにのロゴREBEL入りポロシャツに着替えたのが大成功。「US OPENに出るのか?」と大勢の方が声を掛けてくれた。その中で1人でもいいから私をプラクティスに連れて行ってくれる人がいてくれたら…・・。何人かの手ごたえは有ったが、大勢の方と挨拶を交わしている内にキャロルや(アーロンマーティンスのお母様・キャロル、マーティンス)、一緒に釣りをした事の有るBASSの選手、ブレント、そしてウエスと言った若手プロも参戦していてホッとした。アーロンママには久々の再会の挨拶を済ませ、「明日のプラクティスに同船させて欲しい」とお願いし、何とかプラクティスが出来る事になった。
 

 

 

 

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