Hi from Australia! (第2回)

 

 このところ、友達との会話の中に「今は暑くて釣りがしづらいけど、涼しくなったらもっと楽しくなるんだろうなぁ」と、すでにネクスト・シーズンの話題が多くなっている。でも、暑さはまだまだ続く。早朝から釣りに出かけてもまったく寒さを感じない時期だけに、たくさん釣行を重ねておきたい。なぜなら、今、南半球は夏の終わりを迎えつつあるからだ。
 さて、前回の最後に少し書いたことだが、ボクが所属しているA.B.A.の何人かが1つのグループを作ってオーストラリアンバスのリサーチを行ったので、今回はそのときのことを紹介したい。
 A.B.A.は毎月1回、リサーチフィッシングを行っている。この団体の中からグループを結成して同じレイクで釣りをして、終了後、どれだけ釣れたか、使用したルアーのタイプ、時間、天候、水質、魚の健康状態や釣りをしたエリアなどを詳しくレポートし合うのだ。
 同じフィールドで釣りをしていても、エリアによっては水質が異なり、天候さえ異なることもある。特に入り組んだワンドや地形の変化が激しいエリアでは、バスがある程度そのエリアにストックされるので、ベイトフィッシュの量が少なければ、必然的にバスの健康状態が悪いケースもある。アメリカのトーナメントでは“バスボートで2時間上流に遡る”とよく雑誌に書いてあるから、出発地点ではプリスポーンでも目指した地点ではポストスポーンのバスに出くわすケースもあるだろう。だから、ボクたちはこれらのリサーチを細かく行うことで、フィールドのコンディションから魚のコンディションまでを把握できるように記録を残している。ただし、このリサーチに参加するメンバーは、これを“遠足”と呼んでいる。そのことは、後ほど書くことにしよう。
 それでは今回は、2月に行われたヒンゼ・ダム(Hinze Dam)でのリサーチを書こう。ヒンゼ・ダムはボクの自宅から一番近いリザーバーで、車で20分くらいのところにある。


ヒンゼ・ダムの概要
集水地域:207平方キロメートル
容量:1.635.000.000.000リットル
表水面積:972ヘクタール
ダム建設:1976年
現在の水位:平常時より低く、放水あり 

 ヒンゼ・ダムはエレクトリックモーターの使用しか認められていないので、船外機は使えない。そのため、ここで釣りをするときは非常にリラックスしたムードが漂う。静寂の中で釣りを楽しむのは、ハッキリいって最高の気分。このマンスリー・アウティング(月に1度行われるリサーチフィッシング)は、自分のフィッシング・スキルを試すのにちょうどよい釣行で、大会のようであって、和やかな“釣りキャンプ”の延長でもある。午前11時くらいに釣りをやめてみんなで顔を合わせ、魚を見せあったり話をしたりする。そうすると、その日のよく釣れたルアーがわかるし、自分がなぜ釣れなかったのかもわかったりする。
 ボクはいつも早めにフィールドに到着する。日曜日だからといって、遅くまで寝てられない。友達のグラム(Graeme)とボクは、午前4時にはボートランプを出ることにした。というのも、ボクたちが選んだエリアは結構遠くだったからだ。ベイトフィッシュとバスのレンジをチェックしたかったので、そのエリアに行く途中、魚探をずっと睨んでいた。でも、見えたのは小さなベイトフィッシュのスクールだけだった。
 このリザーバーでバスを見つけることはさほど難しくはないが、これはパターンフィッシングを理解していて、さらに高性能な魚探を持っていればの話。バスはシーズナルな動きをするので、「このエリアはこのレンジだな」とわかっていれば、あとは魚探をかけてチェックするだけだ。この時期は、だいたい20ftくらいがベストだと思う。
 約1時間をかけてお目当てのエリアに到着。ボクらの読みは、正しかった。ナント魚探はベイトフィッシュでいっぱいになった。
 最初のバスは釣りをはじめて間もなく……5時キッカリにきた。42cmのグッドサイズで、ルアーはラトルトラップ。グラムはトップウォーターベイトを使って何尾か釣りあげたが、その後パターンが見えてきた。ベストパターンは、バイブレーションかスピナーベイトで広範囲に手返しよく探るというものだった。リトリーブの感じは、“ショアにキャストして3〜4回リーリング。ちょっとだけポーズを入れて、またリーリングする”の繰り返しだ。この日、トータルで14尾のバスを釣ったが、グッドフィッシュはAM5〜7時の間に集中していた。
 最後に1つオーストラリアンバスについてのマメ知識を書いておこう。オーストラリアンバスの外見は他の魚と変わらないが、実はエラの部分にスパイク(トゲ)があって、これが刺さることがある。慣れれば問題なく防御できるけど、うっかり忘れていると、チクッと刺さるので注意が必要だ。さほど恐がる必要はないのだが、オーストラリアで釣りをする機会があったら、少しだけ気をつけてほしい。


●マイケル・ベル(通称Micky)に直接連絡を取りたい人は、こちらまで:
mikey@fishing.onthenet.com.au

●A.B.A.(Australian Bass Association)に興味がある人は、
こちらのウェブサイトをチェックしてみよう:

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