◇せっかくきれいになったのに…
10月下旬から12月上旬にかけ、山形市青柳を流れる村山高瀬川に遡上(そじょう)するサケが年々増えている。地元で毎年、稚魚の放流を続けてきた成果とみられ、「川がきれいになった証しだ」との声がある一方で、今年は法律で禁じられた捕獲をする人も目立った。サケの死がいも増え、付近の住民からは景観を懸念する声が上がるなど、新たな問題も出てきた。【林奈緒美】
水資源機構川上ダム建設所(伊賀市)の保護池で、国の特別天然記念物、オオサンショウウオが5匹ふ化した。体長は約3センチで、水槽の中をスイスイ泳ぎ回っている。
昨年の1級河川水質ランキングで「日本一汚い川」とされた大和川(大阪市・堺市―奈良県河合町、約36.2キロ)でアユの稚魚が見つかった。遡上(そじょう)は確認されていたが、稚魚の発見は数十年ぶり。近畿地方整備局大和川河川事務所によると、稚魚(約5ミリ)が確認されたのは、大阪、堺両市を結ぶ遠里小野橋付近。10、11月に各1回調査し、半透明の稚魚を計約140匹見つけた。産卵場所は特定されていないが、1日あたり約4万匹が誕生したとみている。
京都府は27日、外来生物による被害防止に役立てるため、府民から半年間にわたって募集した外来生物の目撃情報をまとめた。初めての試みに132件の情報が寄せられ、農作物に被害を与えるヌートリアやアライグマが府内の広い範囲で生息していることが確認された。
◇全国的に珍しい住宅市街地で
江戸川区は、一之江境川親水公園(一之江1など)と沿線地域約18万平方メートルを景観法の「景観地区」として都市計画決定した。地区計画と合わせ、緑と水辺の環境と調和した街づくりや屋外広告規制をする方針。住宅市街地の景観地区決定は全国的にも珍しいという。
大成建設は生態系に配慮した自然再生手法を新たに確立した。動植物や河川を調査した上で、その土地に合った緑化の施工、生態系を保持できる都市開発の計画立案などにつなげる。住宅のビオトープから大規模な湿原や森林の保全まで幅広く事業展開し、関連する建設受注の拡大を目指す。
世界最小といわれるハッチョウトンボ(トンボ科)の生息地、古座川町直見の大谷湿田(約1470平方メートル)で24日、個体数を増やそうと、約60人が湿田の草を引くなど整備した。参加した地元の人らは「貴重なトンボを守り続けたい」などと汗を流した。
琵琶湖で最も在来魚の種数が多い滋賀県近江八幡市の西の湖一帯で、コイやフナなどの在来魚の繁殖場所が、傾斜がゆるやかなヨシ帯のある周辺の湿地や河川に集中していることが、滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター(大津市)などの調査で22日までに分かった。ヨシ帯の傾斜が急な西の湖湖岸では、オオクチバスの繁殖が目立ち、同センターは「在来魚の繁殖環境に地形が影響している可能性が高い」と見ている。
絶滅の恐れがある野生生物のレッドリスト見直しを進めている環境省は22日、絶滅の恐れのある種として鳥類、は虫類、両生類、無脊椎(せきつい)動物で57種を加え計200種を指定した。中でも、沖縄本島北部のヤンバルクイナと、小笠原諸島のアカガシラカラスバトなど8種が絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧(きぐ)1A類に新たに分類された。
政府は21日、世界自然遺産の登録候補になっている小笠原諸島の正式推薦を08年から10年にすることを明らかにした。遺産登録への課題と対策を協議する科学委員会に環境省が報告。登録に必要な外来種駆除に最低でも3年かかると判断した。来年1月に推薦の意思を示す文書を提出するが、登録は早くても11年になる。
環境省の「有明海・八代海総合調査評価委員会」(委員長・須藤隆一生態工学研究所代表)は20日、漁獲減が続く有明海の再生方策を盛り込んだ報告書をまとめた。埋め立てや海岸線の護岸化が進み、潮流が減少するとともに干潟の浄化能力が失われたことが環境悪化につながったとの見方を示したが、国営諫早湾干拓事業(長崎県)との直接的な因果関係については言及しなかった。
海南市下津町でサバンナオオトカゲが捕獲され、県立自然博物館(同市船尾)が19日、公開展示を始めた。西アフリカの草原などに生息し、ワシントン条約にも指定されている希少動物。ペットとして飼われていたものが逃げ出したか、捨てられたとみられる。