水資源機構川上ダム建設所(伊賀市)の保護池で、国の特別天然記念物、オオサンショウウオが5匹ふ化した。体長は約3センチで、水槽の中をスイスイ泳ぎ回っている。
同建設所はオオサンショウウオの生態を調べ、保全活動に生かそうと飼育している。オオサンショウウオは例年8月末に産卵し、1カ月でふ化する。しかし、今年は10月2日にオオサンショウウオの産卵が確認され、ふ化したのは12月上旬だった。今年は夏の終わりが遅かったため、時期がずれ込んだらしい。
保護池で、オオサンショウウオの卵の約7割がふ化した年もあったが、今年は卵約300個中、ふ化したのは5匹だけだった。
同建設所は「今年は川から取った水が濁っていることが多かったためではないか」と話している。【熊谷豪】 〔伊賀版〕 12月29日朝刊