2006年03月10日

コイ、琵琶湖の外来魚繁殖を抑制 滋賀県水産試験場が確認 

 琵琶湖に生息するコイやホンモロコがブルーギルの産卵床を壊したり、卵を食べるなどして、外来魚の繁殖抑制に効果のあることが、滋賀県水産試験場(彦根市)の実験で確認された。中でも、コイは産卵床を壊したり、卵やふ化した直後の稚魚を食べる率が高く、同試験場は「放流場所や時期を工夫すれば、外来魚の駆除に有効」とみている。同試験場で10日に開かれる水産談話会で発表する。

 水産試験場は昨年、ブルーギルの産卵期に当たる6月中旬から9月末にかけて、ブルーギル8匹を入れた3つの実験池(縦4メートル、横2メートル)に、在来種のニゴロブナ6匹、コイ3匹、ホンモロコ15匹をそれぞれ混ぜて飼育し、魚種ごとにブルーギルの産卵に与える影響を調べた。
 コイの池では、ブルーギルの雄が砂底に作った産卵床39個のうち28個が、砂をかき混ぜて餌を探すコイによって壊された(破壊率71・8%)。また、実際に卵を産んだ産卵床15個のうち13個で、コイが卵や稚魚を食べた形跡が確認された(捕食率86・7%)。
 ニゴロブナにもコイと同様、底の餌を探す習性があり、産卵床の破壊率は57・1%と高かった。また、集団で産卵床を襲うホンモロコは捕食率が71・4%に及んだ。
 ブルーギルのみ飼育した池では、破壊率は10%未満、他のブルーギルが稚魚を食べる捕食率も20%台と低かった。
 同試験場の関慎介技師は「捕食率はどれも50%を超え、コイとニゴロブナの池では卵が全滅した。繁殖抑制に重要な働きを果たすことが分かった」と話している。
(京都新聞)

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Posted by jun at 2006年03月10日 12:38 in 魚&水棲生物

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