2005年11月23日

外来生物:コマクサ、前天塩岳山頂近くに分布 道、雪解け後に除去へ/北海道

 ◇生態系に影響も、他山から移植か
 天塩岳道立自然公園(士別市、網走管内滝上町、上川管内上川町)の前天塩岳(1540メートル)で、同岳には本来自生していないコマクサ(ケシ科)が分布を広げている。高山植物の女王とも呼ばれる人気のある花で、誰かが他の山から持ってきて植えたらしい。このまま自生地が拡大すれば生態系に影響が出る恐れがあり、道は来年の雪解け後にすべて抜き取ることを決めた。

 コマクサは山の砂れき地に生える多年草。道内では大雪、日高、阿寒などの山系に見られ、道のレッドデータブックでは希少種に指定している。
 前天塩岳では01年、道内の写真家が約30株発見した。今年の道の調査では山頂近くに173株あった。上川支庁や植物の専門家は17日に士別市で会議を開き、新たに設立する対策協議会が中心になり、知事の許可を得て除去することを決めた。
 現在の自然公園法や道条例では、自然公園内の盗掘は禁じられているが、植えたり種をまいたりすることは規制がない。同支庁の自然環境係は「海外から来た外来生物が問題になっている。コマクサは前天塩岳では外来生物と同じだ」と話す。「かわいそう。美しいものを抜くな」と道民の反対も考えられ、同係は「理解を得るよう努める」としている。
 道内では支笏洞爺国立公園内の羊蹄山(1898メートル)と樽前山(1041メートル)でも同様の事例があり、環境省が90年代後半から何度か抜き取った。だが、種が散らばっている可能性があり、完全に駆逐できていない。前天塩岳でも完全になくすには数年はかかるとみられている。【去石信一】11月22日朝刊(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-北海道-毎日新聞

Posted by jun at 2005年11月23日 11:53 in 自然環境関連

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