2005年03月03日

卵にせっけん液 ふ化抑制 深刻カワウ被害、滋賀県が対策

 琵琶湖や河川でアユが食べられたり、ふんで樹木が枯れるなど、カワウによる被害が深刻化する中、滋賀県は来年度、営巣地の竹生島(びわ町)で、卵がふ化しないように、せっけん液をかける作戦に乗り出す。

 県は2003、04年度に被害が深刻な竹生島で、卵に、液体せっけんと2倍に薄めたせっけん液、界面活性剤の3種類を吹き付ける実験をした。その結果、ふ化率はそれぞれ26%、33%、38%で、いずれも使用しない場合の62%を大きく下回った。
 03年度に県が鶏卵で同様の実験をしたところ、ふ化が抑制されたため、カワウの卵で試した。せっけん液が卵の表面を覆い、胚(はい)やひなの呼吸を妨げたり、表面の膜をせっけん液が分解して、細菌などの侵入を容易にするためではないかとみられる。
 実験では、卵にオリーブ油を塗った場合にもふ化を抑える効果が確認されたが、噴霧が難しく、湖に流出すると水質の悪化が懸念されたため、事業化に当たっては環境への影響が少ないせっけん液を採用した。
 繁殖期のピークである4月末から6月初めまで、樹木の立ち枯れが進んだ竹生島北部の沿岸部を中心に、ラジコンヘリを使って散布する。
 県が昨年五、6月に実施した調査では、県内のカワウの生息数は約4万羽に上った。10月には漁業被害を軽減するため、賞金付きで市民からアイデアを募ったが、妙案はなかった。
 県は「せっけん液の散布は費用も安い。銃による成鳥の駆除や、他府県との連携で相乗効果を狙いたい」としている。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2005年03月03日 11:48 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

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