2004/1/22
まさか、こんなプロアングラーがいるとは……
オッチョコチョイな男、スティックラー


 
ショーン・スティックラーはフロリダ州フォートローダデイル在住のプロアングラーで、21日からレイク・オキチョビーで開催されているFLWツアー第1戦に出場している。フォートローダデイルと言えば、マイアミの北に位置する町で、オキチョビーへは真西に1〜2時間で行ける距離にある。地理的に恵まれた町に住むスティックラーは好感触を持ってプラクティスを終えることができた。オキチョビー湖畔に住んでいるわけではないが、スティックラーにとってオキチョビーは身近なビッグレイクであり、ホームレイクといっても過言ではない。
 初日の朝は快適だった。心地よい風が吹いていて、日中には25℃くらいになると予想した。ボートのコンディションも万全。あとはスタートを待つのみだった。
  そんな彼が朝一番に向かったエリアで記憶喪失になるほど血の気が引く事件が発生した。

 なんと、タックル一式を前夜に宿泊したモーテルの部屋に置き忘れてきてしまったのだ!

 たった1本のロッドすらない状態に、スティックラーは慌てふためき、放心状態にあった。そんなときコ・アングラーであるジュディー・イスラエル(女性)は哀れなプロアングラーに心を打たれ、ロッドを1本貸してあげることにした。なんという失態……。参戦者に1、2名しかいない女性の前での失敗。はずかしい思いを胸にロッドを借りた。
 釣りをはじめると、バスがヒットした。ところがすぐにミスしてしまい、スティックラーは決断する。

 「よし、モーテルまで取りに帰るゾ」。

 まぁ、よくパートナーも納得したものだと思ったが、プロ/アマ戦なので、ボート上の判断はプロ選手に委ねられている。これがドロー形式の大会だったなら、パートナーもOKしなかっただろう。
 ロッドを得てからのスティックラーは水を得た魚のように、快調にパターンを進行させていった。2時間でリミットを達成すると、5尾で12Lb9ozを釣り上げた。結果、62位と多少出遅れた順位に終わったが、マイタックルでなければ、ここまでよい成績にならなかったかもしれない。ちなみに、パートナーのジュディー・イスラエルは56位に入った。しかし、自分のタックルをモーテルに忘れてくるとは……。こんなプロアングラーもいるんだなぁ、と驚かされた。