2004/1/14
エバースタート・イースタン第1戦
初日から最終日までの経過


 
2004年度シーズンFLW Outdoors主催のトーナメントがエバースタート・イースタン第1戦で開幕した。開催湖はフロリダ州最大の湖レイク・オキチョビー、日程は1月7〜10日にかけて行なわれた。アメリカ本土の中で最南に位置する同レイクは、丁度プリスポーンの時期にあたる。若干肌寒い早春のオキチョビーではあったが、プラクティス時に5尾で30Lbも可能と囁くアングラーもいたようだ。
 プラ時、少なくとも本戦前の5日間は無風に近い状態で気温も25℃前後をマークしていたが、大会初日にはまったく正反対のコンディションが到来した。早朝5℃にまで冷え込んだ大気は日中15℃前後まで上昇するが、北からの強風で多数のアングラーがパターンを変更せざるをえなかった。

 レイク北岸を攻略したチャド・グリスビーは、6Lb10ozを含む5尾で16Lb8ozをウエイイン。「このウエイトならトップ20には入ったと思った。20Lbを釣り上げるのも可能だったが、(2日め以降に)残した」と語ったが、フタを開けると初日の暫定1位であった。ちなみにグリスビーは昨年のエバースタート・イースタン第1戦(オキチョビー大会)で6位に入賞している。
 J.T.ケニーは暫定4位に入った。彼は、昨年10月にレイク・オキチョビーで開催されたBASSサザンオープン戦を優勝。2002年度FLWツアー第1戦(オキチョビー大会)でも優勝している。今大会でも快進撃は見られるのだろうか。

 2日め、初日8位につけたチャド・モーガンセラーは「3日め以降に繋げるために、各場所を見に廻った」と語るが、行く先々でグッドサイズのバスと遭遇し17Lb3ozをウエイイン。2日間のトータルを31Lb6ozに伸ばしトップに躍り出た。
 バスの活性が上昇したのには、やはり天候の回復にあった。プラとは180°正反対の空模様となった初日とは打って変わり、2日めはプラとほぼ同様の天候に戻った。その結果ビッグウエイトが続出し、たとえば初日129位だったラリー・インマンは一気に3位へ、トッド・アーリーは116位から8位とジャンプアップした。

 3日めになると、やはり地元アングラーの強みが見えはじめた。初のビッグトーナメント出場となったジャスティン・スクウィアーが、FLWツアーにも参戦しているアンソニー・ガグリアーディにおよそ4Lbの差をつける18Lb8ozをウエイインし首位を奪取。最終日にはトップ10名のみが進出するが、1位と10位の差は約9Lb。ところが、オキチョビーではたった1尾のビッグフィッシュで逆転が可能なだけに、恐ろしい展開になることが予想された。
 2タイムス・オキチョビー・チャンピオンのJ.T.ケニーは、3日め、3位につけた。この日彼は50尾近くバスを釣り上げたというが、ウエイトは13Lb9ozに止まり爆発力に欠ける。
 また2週間後に控えたFLWツアー第1戦(オキチョビー大会)にも出場するメンバーがトップ10内に4名入った。エバースタートはFLWツアー参戦への登竜門的トレイルだが、ツアープロも出場可能なため、経験豊富なツアープロが上位を占めている。これはBASSのオープン戦にも当てはまる事実である。

 そして最終日、天候は初日と同様に強風と低気温のコンディションに変貌した。天気が崩れれば、地元アングラーが地理的知識を活かしてベテランの経験を上回る可能性も高い。その結果、3日めをトップで折り返したジャスティン・スクウィアーが初優勝を飾ることで大会は終了した。
 スクウィアーは前日のインタビューで天候が崩れた方が活性は上がると語っていた。実際には「急激に変わったので、バスのスイッチがオフになってしまった。前日からリード(4Lb)で逃げ切りたかったけど、8Lbしか持っていなかったから、たぶん数oz差の勝負になるんだろうなって考えていた」と述べた。
 事実、2位入賞を果たしたチャド・モーガンセラーとは僅か8oz差だった。初のエバースタート戦となったFLWツアープロのモーガンセラーは、「8ozで負けるのは非常に辛い。今日のウエイトだけを見れば10名中トップだけど、昨日がよくなかったので、こういう結果になった。本来なら勝てた試合だった」と悲観のコメントを残した。
 ウワサの剛腕J.T.ケニーは4位に入賞を果たした。彼はレイク・オキチョビーで開催された大会に8度出場しているが、うち2回を優勝、2回を5位内でフィニッシしている。今大会終了後、彼は「トップ10に入れば『よくやった』と言われるが、(試合は)優勝しないと意味がない」とプロ意識の高さを伝えている。