2003/12/9
BASS第1回オープン・チャンピオンシップ
初日〜最終日までの経過


 
12月4〜7日の日程で開催された第1回BASSオープン・チャンピオンシップは、ルイジアナ州トレドベンド・リザーバーで開催された。まずは同大会の出場アングラーリストに注目してもらいたい。オープン戦にはバスマスターツアーに参戦している選手もエントリーできるのだが、ツアー参戦アングラーを「プロ」と呼ぶなら、オープンをメインとするアングラーは「セミプロ」といえる。もちろん、プロトーナメントに出場する限り、プロアングラーであるには間違いない。しかしオープンレベルのアングラーは本職があって、オープン戦にも出場している場合が多く、いわば二足の草鞋状態だ。だからといって、釣りに専念できるツアープロに上位を奪われていては、ツアー参戦の切符を手中にできないのはおろか、このチャンピオンシップへもクオリファイされないだろう。現実は厳しいもので、このリストを確認すると、出場者のおよそ半分はツアープロという顔ぶれである。オープン・チャンピオンシップを「セミプロの最終戦」と考えることなかれ。あのメンバーを見れば、質の高い大会になると予測できる。果たして、オープンメインのアングラーは、ツアープロに勝つことができるのだろうか。
 
 初日をリードしたのは、スティーブン・ブローニングだった。「たぶん14〜15Lbをウエイインできると予想した」と述べるが、実際には18Lb10ozを持ち込んだ。1Lbの差をつけてスコット・サッグスが暫定2位に、2oz差でスキート・リースが3位につけた。多数の選手が天候の回復を望んでいたが、競技時間中に太陽が雲の間から顔を覗かせることはなかった。2日め以降の展開も天候次第となった。

 2日め、ベテラン、リック・クランはこの日のトップウエイトとなる16Lb8ozをウエイインし、2日間の合計を30Lb3ozにし、暫定首位に躍り出た。2位にはジャック・ウエイド、3位にスティーブン・ブローニングと続いた。
 さて、オープン・チャンピオンシップ・ルールとして、3日めには最初の2日間のトータルウエイトからトップ12が、最終日には3日めの順位からトップ6が進出するバスマスターツアー・ルールが採用されている(通常のオープン戦では3日間の日程で開催され、最終日には2日めのトップ50が進出する)。2日めの暫定順位を確認してみると、オープンメインのアングラーでトップ12に入ったのは、9位のスコット・サッグスのみとなった。また桐山孝太郎さんは2日めにウエイトを伸ばすことができず(初日:3尾で4Lb12oz 、2日め:ノーフィッシュ)、70位で同大会を敗退した。
 2日めは天候が回復するどころか、さらに悪化した。湖上では強風が吹き暴れ、船首をスポットに向けていられないほどだったという。その影響からか、リミットメイクに成功したのは12名、ノーフィッシュは16名を数えタフな一日となった。
 
 そしてセミファイナル、ツアーにも参戦し、いまや“西海岸出身”という雰囲気を漂わせないジョン・マーレイは驚愕の21Lbをウエイイン。トータルを47Lbに伸ばすと、この時点で暫定2位のゲーリー・クラインにおよそ7Lbの差をつけて最終日を迎えることとなった。マーレイは「最高の1日だった。全部がいい方向に動いた」と語っている。マーレイは見事な5パウンダーをバイブレーションで釣り上げ、その後ドロップショットリグで4 1/2パウンダーも釣り上げ、全体的にグッドコンディションのバスを持ち込んだ。ちなみに、3日めの最大バスは7位になったエドウィン・エバースが釣り上げた5Lb12oz。
 唯一のオープン・アングラーとしてセミファイナルを闘ったスコット・サッグスだったが、この日は1尾で1Lb1oz。ウエイトを伸ばすことができず、12位で姿を消すこととなった。

 最終日、寒冷前線が忍び寄っていた状況で日々気温が低下し強風が吹くなか、アングラーは自分のパターンを最大限に発揮できないまま試合を進めた……が、ジョン・マーレイだけには影響しなかったようだ。最終日に残った6名中、この日のウエイトで10Lbを越えたのはマーレイのみ。しかも彼は7Lb5ozのビッグフィッシュを含む17Lb9ozも持ち込み、2位以下に16Lbの差をつけて第1回オープン・チャンピオンシップを制覇した。ちなみに、マーレイにとってこれがBASSにおける初優勝にもなった。そして彼は最終日の7パウンダーを「 “トラップ”で釣り上げた」と言うが、本当のところはヨーヅリ社ラトリンバイブで釣り上げたとのこと(アメリカ人はバイブレーションをトラップと呼ぶことが多い。ラトルトラップのトラップ。ちなみに、ペンシルベイトは何でもかんでもスプークと呼ばれることが多い)。
 2位にはゲーリー・クラインが入賞。ちなみに、クラインは昨シーズンのバスマスター・クラシックでも2位になっている。そして今回の2位入賞58回めのトップ10フィニッシュを成し遂げた。その他、3位にグレッグ・ハックニー、4位にジャック・ウエイド、5位にステイシー・キング、5位にリック・クランが入賞した。