2003/11/25
BASSウェスタンオープン第3戦
初日から最終日までの経過


 
全米を4地区に分割して開催されたオープン戦。同シリーズには今季からウェスタン戦が復活し、再度西海岸のトーナメントに注目が集まった。第1戦をワシントン州コロンビア・リバー、第2戦をカリフォルニア州クリア・レイクで開催し、最終戦である第3戦は11月20〜22日の日程でアリゾナ州レイク・ハバスを舞台に開催された。この一戦が終了すると、BASSオープン戦の全日程が終了する。オープンからのクラシック出場者が確定するだけでなく、12月に初開催を迎えるオープン・チャンピオンシップ出場メンバーも決定する。
 
 レイク・ハバスは西海岸では有名なトーナメントで、週末にもなれば大小に係わらず頻繁に試合が行なわれている。コロラド・リバー水系の下流部に位置し、上流部にはレイク・パウエル、レイク・ミード、レイク・モハベなど数多くのバスレイクがある。カリフォルニア州とアリゾナ州の州境にあり、ダムサイト(パーカーダム)は1938年に完成した。
 レイク・ハバス大会のポイントは2つ。いかに粒ぞろいのウエイトを持ち帰られるかにある。基本的にバスのサイズは小さい。最近では国内移入種のスモールマウスバスの魚影も濃くなっているというから、スモールのパターンもありうる。(元々バスはロッキー山脈以西に分布していない魚種)。
 もう1つのポイントは、風の影響だろう。ハバスは南北に長細く伸びるリザーバーで、他のコロラド・リバー水系ダム湖のように、渓谷の狭間にある。時期的に北風が吹き抜ける可能性は高く、もし強風が吹いた場合、北部エリアをメインとするアングラーはキツい展開となるだろう。果たして結果やいかに。

 トーナメント初日、アリゾナ州在住のクリフ・パーチが度肝を抜く1尾を持ち込んだ。2尾のみのウエイインとなったが、1尾がアベレージサイズのスモール、もう1尾は9Lbのラージマウスだったのだ。トータルで11Lb13ozをウエイインしたパーチは堂々と初日のトップに立つ。2位には1oz少ない11Lb12ozでクレイトン・メイヤーが、3位にマイケル・ベネット、4位にクリス・ランバート、5位にジャック・ギャドレッジが入った。
 風の影響はほとんどなかったといえるが、それでもタフなコンディションだったようだ。112名が出場し26名がノーフィッシュ。このなかにはクラシック出場経験者のマイク・オーシェア、ツアープロのイッシュ・モンロー、ロブ・バンダーコーイやバイロン・ヴェルヴィックが含まれている。また34名が1尾のみのウエイインとなり、リミットメイクを達成したのはたったの9名のみである。
 日本人アングラーの児玉一樹さんは20位タイ、桐山孝太郎さんは33位に付けた。
 この日トップのクリフ・パーチは、ノーフィッシュで終えたイッシュ・モンローの真後ろで釣っていたという。「朝一番のキャストで巨大なストライパーをかけた。私が入りたいスポットにイッシュがいたから、横に抜けるのを待ってそのスポットに入った。そうしたらまたビッグバイトがあって、『またストライパーか?』と思っていたら、あのビッグバスが釣れた。イッシュは頭が痛いだろうが、彼は明日このエリアでは釣りをしないと言ってくれた。感謝したい」と述べたが、パーチは2日め以降、イッシュ・モンローの分も釣り上げ、上位にくい込むことはできるのだろうか。
 
 2日め、バスマスターツアーを中心に全米を転戦するために現在はケンタッキー州に移住したが、元々はネバダ州出身のジャック・ギャドレッジがトップに躍り出た。彼はタフな状況のもとリミットメイクに成功。12Lb3ozをウエイインし、トータルを22Lb10ozに伸ばした。初日のリミットメイカーで2日めもリミットを揃えられたのは2名。そのひとりがギャドレッジである。
 両日リミットをウエイインしたもうひとりのアングラー、デニス・コレンダーは、トータルを20Lb7ozとし暫定3位に浮上した。
 前日とはうって変わっての天候が2日めを襲った。強風がレイクを吹き抜けたため、初日以上にタフなコンディションとなった。リミットメイカーが7名、ノーフィッシュは29名。

 最終日、2日めに吹き荒れた風は弱まるどころかさらに強くなり、大会最終日の朝、試合中止が発表された。今季オープン戦ではノーザン第3戦(ニューヨーク州レイク・オネイダ戦)も強風のため最終日がキャンセルとなったが、ワンシーズンに2度も大会が続行不可能となるのは異例のことである。 
 そのため、2日めの順位が最終順位となり、ジャック・ギャドレッジがウェスタン第3戦を制覇するかたちで大会は終了した。2位には初日のリードを守ったクリフ・パーチ、3位にデニス・コレンダー、4位にクレイトン・メイヤー、5位にマイケル・ベネットが入賞している。
 児玉一樹さんは17位に、桐山孝太郎さんは45位でフィニッシュした。

 これでウェスタン戦は全日程を消化し、総合順位が確定。クラシック・クオリファイアー、オープン・チャンピオンシップ・クオリファイアーが発表された。
 クラシックへはトップ3のビンク・デサーロ、ジョン・マーレイ、スキート・リースが出場枠を手に入れた。オープン・チャンピオンシップへはトップ20が出場するが、この中には総合14位に入った桐山孝太郎さんも含まれている。第34回バスマスター・クラシックは2004年7月30〜8月1日にノース・キャロライナ州レイク・ワイリーで、オープン・チャンピオンシップは2003年12月4〜7日にルイジアナ州トレドベンド・リザーバーで開催される。