2003/11/10
BASSサザンオープン第3戦
初日から最終日までの経過


 
11月6〜8日にかけて開催されたBASSサザン・オープン第3戦は、アラバマ州レイク・ユーファウラを舞台に開催された。同湖はBASSの大会で幾度となく使用されてきた有名トーナメント・レイクの1つ。ただしビッグウエイトの飛び出す確率は低く、団子状態のウエイトが出るのでも有名だ。またバスマスター・ツアーに参戦するベテランアングラーも多数出場しているサザン戦だけに、エリアのバッティングの可能性も多いにありうる大会と予測された。
 
 初日のトップに立ったのは、地元アラバマ州在住のオープンプロ、カイル・マブレー。22Lb7ozをウエイインし、2位のガイ・エーカーに5Lb1/2ozという驚愕のリードをつけた。タフなユーファウラではあるが、秋に限ってはビッグウエイトのチャンスもある。ただし今回は、夜間に水位調整をしているため、日中に水の動きはほとんどなく、晴天、微風というバスの活性を上げる要素も重なり合わず、全体的に釣果は伸びなかった。その中でのビッグウエイト。理由は、マブレーが釣り上げたビッグフィッシュにあった。
 マブレーは、第2戦終了時点でサザン地区AOYの135位に付けている。たとえこの1戦を勝ったとしても、バスマスター・クラシックへのクオリファイは難しい。ならば、せめて優勝して来季に繋げたい。この日のマブレーのウエイトは7パウンダーというビッグフィッシュに助けられた。そのため、2日め以降、彼の猛威が継続されるかは非常に微妙ではある。プラで反応のよかったザラスプークが本戦では不発。それをジグに変更し絞り出したウエイトだけに、「2日めもその臨機応変さが出れば最終日に繋がる」と語った。

 ところが2日め、カイル・マブレーは、ノーフィッシュに終わり、ウエイトを伸ばすことができなかった。初日のビッグウエイトが効いて、結果的に6位で最終日に駒を進めるが、頂点から一気に転落した。
 変わって2日めのトップには、FLWツアーにも参戦するクリス・バームガードナーが躍り出た。季節的には夏から秋へとシフト中のレイク・ユーファウラ。早朝は霧のため2時間遅れで競技がスタートし、しかも日中は27℃と11月とは思えない気温のなかの大健闘だった。バームガードナーは初日の19位から暫定1位へとジャンプアップ。2位には前日の3位から順位を上げたティム・ホートンが入った。
 2日めの注目ポイントは、196名中73名(全体の37%)がノーフィッシュで帰着したところだろう。タフなコンディションを示唆させた。
 また大森貴洋さんは78位に入るが、最終日に残れず2日めで姿を消した。

 そして最終日は、この1週間続いた晴れ空がはじめて曇りとなった日でもあった。気温も20℃前後に急落し、いい意味でバスの活性を刺激する展開となった。天候の変化がポジティブに働いたアングラーもいるのだろうが、50名で競技された最終日、リミットメイクに成功したのは10名。タフな状況は依然変わらぬままだった。
 その10名に入り、さらにこの日のトップウエイトを持ち帰ったシェイン・ボイルスは、若手の筆頭格・ティム・ホートンを押さえて優勝を飾った。ボイルスは「朝、マリーナを出たときから勝てる気がしていた」と語る。彼のパターンはシャローでジグを撃ち続けるパワー・フィッシングだった。
 2位入賞を果たしたティム・ホートンは、ボイルスとは異なり、メインレイクでクランキングを押し通すパターンを持っていた。12〜15ftレンジに見つけていたベイトフィッシュをターゲットにクランクベイトをトレースしたという。ただし、「エレキの調子が悪く、ベイトフィッシュの層を発見するまではアイドリングのまま釣り続けていた」という。またホートンはサザン地区AOYのトップを飾り、バスマスター・クラシックへの切符を手中にした。その他、デイビッド・ウォーカー、デニー・ブラウアーもクラシック・クオリファイを獲得した。

 ちなみに、初日トップウエイトを叩き出したカイル・マブレーは、最終日もノーフィッシュで終える。しかし初日のウエイトが効いて、24位でフィニッシュした。加えて、3日間をとおして連日リミットを揃えられたアングラーはいない。