2003/10/8
BASS新AOYプログラムを発表
Buschに変わりCITGOがリード


 BASSはアングラー・オブ・ザ・イヤー(AOY)・レースに賞金をかけるプログラムを昨年からスタートした。昨年はBusch Beer社が同プログラムのメインスポンサーとして加わり、アメリカバス・トーナメント業界に大きな波紋が広がった。そもそもバス釣り業界にアルコール・メーカーが加わることに否定的な意見を持つ選手や関係者も多く、「スポーツとして健全ではない」と語っていた。タバコメーカーも然り、BASSには青少年の育成を訴えるスローガンもあり、アルコール・メーカーの参入には賛否両論だったといえる。
 ところが、Buschが2002年度のクラシック終了後からスポンサーとして加わることで、プロアングラーの世界がまた一歩広がったのも事実だった。それがAOYプログラムである。年間総合順位の上位入賞者に賞金が出るというもので、年間1位の選手には10万ドルが贈られるという魅力的なシステムだが、問題はそのプログラムを受けるための条件だった。

 まず、そのAOYプログラムを受けるためには、ツアーパッチをトーナメントシャツに着用しなければならないのだが、そのパッチには大きくBusch社のロゴが入り、小さくバスマスターのロゴが入っていた。これには多数の選手が反応した。これでは大会参戦のプライドの証であるパッチにBuschロゴが大きく載りすぎと、批判の声が絶えなかった。BASSは後日パッチを作りかえ、Buschロゴを小さくすることで落ち着いたが、さらに問題は拡散した。選手が「そんなパッチは付けられない」として、BASSから離脱者が出たのだ。
 宗教的な理由、教育的問題やスポンサー契約の内容により、パッチのみならず、Busch AOYプログラムのデカールをボートに貼ることができない選手も出てきたのだ。代表的な例としてはディオン・ヒブドンやランディー・ブローキャットがいた。ヒブドンは契約上の問題でBASSを諦め、FLWツアーに専念した。ブローキャットは契約上の問題もあり、出場が危ぶまれたが、パッチを着用せずバスマスター・ツアーに参戦。この場合、AOYプログラムに入っていないため、年間順位で上位入賞しても賞金は受け取れないが、全10戦行なわれた個々の大会で入賞した賞金はもらえるというものだった。

 そして来季もAOYプログラムは続行されると聞いていたが、BASSは来季の同プログラムのメインスポンサーがバスマスター・シリーズの看板スポンサーでもあるCITGOに決定したことを伝えた。BuschはBASSから撤退したわけではなく、ただ来季はCITGOがAOYプログラムをリードする。
 まずCITGOがリードすることで変わった部分は賞金額にある。来季は同プログラムの総額がおよそ50%の増額となるようだ(昨シーズンは総額20万ドルで来シーズンは31万1550ドルになるので、厳密には46%アップ)。
 年間優勝者には10万ドルと1万1550ドル(2005年度のツアーエントリーフィーの全額分)が授与される。
 CITGOはガソリン・メーカーであるため、昨年のような問題は起こりそうになりが、動きがあればまた「文字ニュース」に掲載したい。