2003/10/1
エバースタート・ノーザン第4戦

 エバースタートシリーズ・ノーザン・ディビジョン第4戦が9月24〜27日に開催された。今季同地区最終戦となった開催湖は、ビッグウエイトが期待されるニューヨーク州レイク・シャンプレーン。昨年度FLWツアーが開催されたことで有名だ。
 まず、最終戦ということで押さえておきたいのは、最終総合順位のトップ15は来季のFLWツアーに格上げとなること。またトップ40は10月29〜11月1にかけてテネシー州オールド・ヒッコリー・レイクで開催されるエバースタート・チャンピオンシップへとクオリファイされる。

 初日からなかなかのビッグウエイトが期待どおり飛び出すなど、大会は盛り上がった。1日めのトップはブライアン・ゲイツで19Lb3oz、暫定2位のトム・モンスーアーは14oz少ない18Lb11ozをウエイインした。
 ゲイツは昨年度のFLWツアーがレイク・シャンプレーンで開催されたとき参戦しており、そのときは30位に入賞。釣り方などはわかったおり、「今日はフリッピングでラージマウスをねらったが、明日はスモールを獲りに行く。あとは3日め以降に残しておきたい」と語った。
 
 しかし、一部の選手は予測していたというが、強風と高波の影響で2日めがキャンセルとなったのだ。初日も高さ90cmほどの並があり、プラクティス時には150cmにまで及んだという。恐るべし、シャンプレーン!
 さて、2日めが中止となり3日めを迎えた今回の最終戦だが、ルールにより3日めはトップ20名によって競技される。ところが、また思わぬ展開が待ち受けていた。コ・アングラー部門の19位が3名によってタイになっていたのだ。要するに1名多い。そこでオフィシャルは、「このままコ・アングラーだからといって家に帰すのは可哀相だ」とし、プロ部門の選手を1名繰り上げ、異例の21名による3日めがスタートした。
 この日、トップに躍り出たのはトッププロとして有名なアート・ファーガソンIII。2位にはジョー・ルカエーリが入った。初日首位のゲイツは「スタートした瞬間にエンジンが何かに当たって、動かなくなった。それで知り合いからボートを借りて再度スタートしたが、エリアに着いてみると今度はその周辺を掘削機が何かやってるんだよ。仕方なく、また移動して……」と語るが、なんとか10位に滑り込んだ。

 そして最終日を迎えたトップ10名のなかに、ZONA-2として知られているマーク・ゾナがいた。彼は初戦を2位でフィニッシュすると、第2戦も2位、第3戦は63位。最終戦もトップ10に残ったこともあり、目指すは優勝。だが、密かに2位で終えるのを期待する者もいたとか……。
 だが、ゾナはアレン・コーセンにわずか5ozの差で2位に終わる。
 初優勝を果たしたコーセンは、「リック・クランが、優勝するときはすべてがマッチしたときなんだって、いつか言っていた。この大会はホントにそんな感じだった。波は高いし、風があったり釣りをするのが無理に近いほどだった。でも、私の心になかはすべてが穏やかだった。勝てる自信があったんだろうね」と感動的なコメントを残した。

 今季3度めの2位に入賞したゾナは、「実は、昨年のエバースタート・チャンピオンシップでも2位タイになったんだよね。ジョークにもほどがあるよ。まぁ、勝てない自分が悪いんだろうけど、仲間も茶化してくるし……」と第3者から見ても、なんと声をかけていいのかわからない結果を迎えた。「波は高いし、風も強い。エレキが効かないから、使うのを止めてたんだ。集中力も抜けてくるし、早くこの日が終わらないかと願ったよ」と弱気になっていたことを告白。だがその直後、年間優勝したことを伝えられると、「やっと1番上に立てたね」と笑顔で語った。「でも、正直にいうと、1番恐れていたのは、オフィシャルが今日も中止にするんじゃないかってことだった。実際に2艇が戻ってこれなかったしね」と加えた。
 
 マーク・ゾナはこの後、エバースタート・チャンピオンシップに出場する。彼は優勝することでZOMA-2というニックネームを返上することができるのか!? それとも……。