2003/4/21

ウワサが現実に
B.A.S.S.、ウェスタン戦の復活!
オープン・チャンピオンシップ開催決定


4月16日、B.A.S.S.は2003年度のオープン戦シリーズの日程を発表(後述日程表参照)、そして2001年度の大会をもって一時休止中であったウェスタン戦を次季シリーズより復活させると宣言した。
 これでオープン戦は全4地区で開催されることになり、同組織はオープン戦上位陣のみをクオリファイする「Open Championship」も開催するという。
 
 まずは各地区戦の日程を見てみよう。
2003年度オープン戦スケジュール

セントラル戦
1:8月21〜23日 テネシー・トムビッグビー・ウォーターウェイ(ミシシッピー州)
2:10月9〜11日 サムレイバン(テキサス州)
3:11月13〜15日 ワチータ・リバー(ルイジアナ州)

ノーザン戦
1:7月17〜19日 ポトマック・リバー(メリーランド州)
2:9月11〜13日 レイク・エリー(ニューヨーク州)
3:10月2〜4日 オネイダ・レイク(ニューヨーク州)

サザン戦
1:9月25〜27日 レイク・ウィーラー(アラバマ州)
2:10月16〜18日 レイク・オキチョビー(フロリダ州)
3:11月6〜8 レイク・ユーファウラ(アラバマ州)

ウェスタン戦
1:9月18〜20日 コロンビア・リバー(ワシントン州)
2:10月23〜25日 クリア・レイク(カリフォルニア州)
3:11月20〜22 レイク・ハバス(アリゾナ州)

 オープン戦は昨シーズンと同様に、各地区全3試合行なわれる。175艇のボートにボーターとノンボーターが乗船するプロ/アマ・フォーマットを引き続き採用。大会は3日間の日程で争われ、最終日はトップ50名のみで釣技される。
 
 来期から開催されるオープン・チャンピオンシップには、各地区戦で勝ち抜いた上位20名のボーターとノンボーターが出場できる。バスマスターズ・クラシックと同じように、同チャンピオンシップにクオリファイされた選手はエントリーフィーを支払うことない。
 また、同大会から13名が、2004年度の夏に開催されるバスマスターズ・クラシックへクオリファイされる。チャンピオンシップ・ウイナーと同大会最終順位から各地区のトップ3がクラシック行きの切符を手にする(ex. セントラル組1位の選手が最終順位で8位だったとする。サザン組4位の選手がたとえ6位に入賞し、セントラル組1位の選手より上位にいたとしても、クラシック・クオリファイにはならない)。
 現時点でオープン・チャンピオンシップの開催日は未発表だが、上記スケジュールを見てもわかるように、オープン最終戦は11月に行なわれる。2004年1月からはバスマスターツアーもスタートする。各地区の総合順位からトップ15名ずつが来シーズンのツアーに昇格するのも考慮すれば、チャンピオンシップの開催は12月ごろとなるだろうと予測される。
 また開催湖に関しても、時期的にノーザンやセントラル地区で開催される可能性より、サザン、ウェスタン地区で開催される可能性の方が高い。B.A.S.S.の今までの大会開催経歴を考えれば、サザン地区、すなわちアメリカ南東部でオープン・チャンピオンシップが開かれるのではないだろうか。今は正式発表を待つのみだ。
 
 ノンボーター出場枠はB.A.S.S.フェデレーション・メンバーが優先してエントリーできる。その後、一般アングラーのエントリーへと移る。
 
 来シーズンからウェスタン戦が復活するが、そもそもB.A.S.S.が西海岸から撤退した理由は大きくわけて2つあるといわれている。
 1つめは、参戦アングラー(ボート数)が主催者側が求める定数に充たないケースが多かったことだ。出場者が少ないために、当時のウェスタン戦では、他の地区と比較し、優勝賞金やクラシック出場枠も少なく定められていた。それを不公平と捉えるアングラーもいたようだが、参戦選手が少なければ仕方がない。ビジネス的にも、参戦者数が少なければ、スポンサーも張り合いがないだろう。
 フォーマット問題もウェスタン勢にとっては受け入れにくかった。西海岸を拠点とする団体(WON BASSやWestern Bassなど)は、古くからプロ/アマ・フォーマットを採用してきた。B.A.S.S.が適用していたのはドロー・フォーマットであり、その形式になじめない選手も多かったのだ。現在B.A.S.S.のオープン戦ではプロ/アマが使用されているが、当時はそれがなかった。
 
 B.A.S.S.はこの度、西海岸に帰ってくるが、あまりにも早すぎるカムバックといえる。廃止が決定し、新オープン形式がスタートしたが、そのころにはすでに「ウェスタン戦をまた復活させるらしい」というウワサが一人歩きしていた。わずかワン・シーズンを空けただけの復活。当時は廃止と表現されたが、感覚的には休止である。
 B.A.S.S.が西海岸から撤退した後、そのマーケットに一早く注目したのは、FLW Outdoorsである。Everstart、すなわちB.A.S.S.でいうオープン戦のウェスタン・ディビジョンを開催する決定した。今期からスタートしたためまだなんとも言えないが、ここでまたB.A.S.S.とのコンフリクトが見え隠れしている。
 今回、B.A.S.S.が発表したオープン・チャンピオンシップも、もとはと言えば、エバースタートがやっていたものだ。各地区で勝ち抜いた選手を集めてそのレベルのアングラーでクラシック・ライクな大会を開催している。老舗団体のB.A.S.S.に参戦する選手たちは、賞金だけでなく名誉も勝ち取るために同団体に参戦しているという自負がある。しかしここ数年間の米国バス業界の動きを見ていると、先駆者的な改革を進めているのは、FLWに他ならない。
 昨春、basswaveがゲーリー・ドビンスにインタビューしたとき、彼はこう述べている。「B.A.S.S.が次回西海岸に戻ってきたとき、さらに参戦者が減っていると思う。B.A.S.S.が撤退したことで、多数の選手が落胆したし、もうすでにいいイメージを持ってないんだよ」。
 来季のB.A.S.S.ウェスタン・オープンにどれだけの選手が出場するのか、ある意味楽しみでもある。
 
 ウェスタン戦にボーターとして参戦するのであれば、日本人にもクオリファイされる確率は高いだろう。他の地区の人気は高く、定数の2倍ほどの選手がエントリーを希望している。特にセントラルは厳しいエントリー争いになるだろう。理由は、セントラル地区に在住していない多数の選手が同オープン戦に参戦を希望しているからなのだ。
 一方で、ウェスタン戦には基本的に西海岸在住のアングラーが出場する。過去のウェスタン戦の参戦者数、エバースタート・ウェスタンの参戦者数、ドビンスの予想を考慮すると、主催側が求める175艇がエントリーしない可能性の方が高い。ゆえに、日本人アングラーでも簡単にエントリーできるのではないか、ということなのだ。