2003/2/12
FLW Tour第2戦プレビュー
アチャファライア・ベイスンという場所

 
 
1月から開幕したFLW Tourは、2月に入り今シーズンの第2戦めを迎える。トーナメントウォーターは、ルイジアナ州アチャファライア・ベイスンで、大会日程は2月12〜15日だ。
 あまり聞き慣れないこのトーナメントウォーターをアルファベットで表記するとAtchafalayaとなるが、これはもともと英語ではなくチョクタウ(Choctaw:古来アラバマ州周辺で生活していたネイティブ・アメリカンの部族)が使用していた呼称であり、これが現在でも使われているのだ。この他アメリカ国内には地名や湖沼名の語源がもともとインディアン言語であるケースが多い(特に南部)。
 アチャファライアとは、彼らの言葉で“Long River”の意。FLWの公式発表によると、およそ縦80マイル、横28マイルがメインになるというが、実際にはその倍を移動することも可能だ。
 ベイスンとは流域のことを指し、アチャフアライア川の流域ということでメキシコ湾から上流域までがトーナメント区域となる。
 同流域はアメリカ国内最大のウェットランド(湿地帯)で、独特なタイドが発生することでも有名だ。
 
 アチャファライア・ベイスンはカバーの宝庫といわれるほど、バスが好む要素を備えている。スタンプや倒木、ジャングルを彷彿させるような湿地系の水生植物、大小のワンドやバックウォーターなど、変化に富んだ要素によってアングラーの選択肢も豊富だといえるだろう。
 アチャファライア・ベイスン自体は、よく4つのエリアに分けられる。
 流域北側は農地が多く、立ち木も多く見られる。中流域は国内最大のスワンプ地帯で、低地のために川の氾濫や雨水が溜まってできた湿地帯。そして、最下流域(メキシコ湾付近)である。
 全域に渡って石油会社が作った無数の水路が入り組んでおり、石油を通すためのパイプライン、それを支えるための鉄柱が無限に点在する。迷路のように続くキャネルに入れば、いとも簡単に迷子になるほどだ。
 アチャファライア川はミシシッピー川に流入する四大メジャー河川のひとつでもある。
 同流域は野生動物の天国としても知られており、ビーバーやアリゲーターなどが生息する。国内でもっとも魚類に適した環境が整っていることもあり、バスだけでなく、キャットフィッシュやクラッピー、そしてザリガニなどの生息数はズバ抜けているそうだ。
 
 今年は例年に比べ若干水温が低いこともあり、バスはまだ完全なスポーニング・モードに入っていないという。ゆえに、プリスポーン・パターンがもっとも有効といえるだろう。
 この状態が大会中も続くのなら、シャローのスピナーベイトやクランクベイトが多用されるだろう。ただし、好天で水温が上昇すると、メインパターンはスポーニングバスねらいのフリッピングへと移行するだろう。
 ストラクチャーが多く、一見するとどこにでもバスが潜んでいそうだが、このコンディションからすれば、「大半のエリアを切り捨てることができる」と、選手たちは語っているようだ。