2002/9/12
FLW Tourチャンピオンシップ
初日:ジョーンズvsパワーズに注目


 
9月11日からFLW Tourチャンピオンシップの火蓋がルイジアナ州クロス・レイクで切って落とされた。同湖は、2002年度シーズンFLW Tourで開催されたもっとも小規模なフィールドである。そのフィールドにアメリカのトップアングラー48名が乗り込むから、意味合いが深い。

 初日の経過を伝える前に、以前解説したスロット・リミットの補足をしておこう。
 同湖のルールとして、14〜17inのバスをキープすることはできない。そのため、選手は17in以上のバスのみウエイインできると解説したが、ステイト・ルールでは12in以上を船上にキープできるため、「実際には12〜14in内のバスであれば、キープしてもいい」ということになる。
 そして、17in以上のバスにもルールがあった。「17in以上のバスは4尾までキープしてもいい」というスロット・リミットだったのだ!すなわち、選手がウエイインできるのは最高でも4尾の17in以上のバスと1尾の12〜14inのバスということになる。
 
 初日、最後にウエイインを行ったのは、地元ルイジアナ州のグレッグ・ハックニーである。彼は見事5尾のリミットを揃え、15.13lbをウエイインした。ハックニーは、「(地元ではあるが)今までにこのレイクで釣りをしたことがない。実は、このレイクがあること自体知らなかった」と語った。また、「最初に2時間では1バイトしかなかった。でも次第にバイトが得られるようになって、運良く、釣り上げたすべてバスはグッドサイズだった」と加えている。
 
 出場選手の統計を採ってみると、初日、48名の出場選手の内、10lb以上をウエイインできたのは6名。また、2/3の選手は6lb以下となっている。全体で139尾のバスをウエイインしているが、これを48で割ると、1人平均3尾となる。13名はリミットメイクに成功しているが、一方で4名はノーフィッシュで終了した。そしてすべてのバスをウエイト換算すると237lbとなるが、これは1尾あたり1.7lbになる。
 
  小規模のボディー・ウォーターに48名のプロアングラーとアマチュア・アングラーが同船し、コンペティションを行っている。自分が3日めのセミ・ファイナルに進むためには、充分なウエイトを持ち込まなければならない。自分のエリアで釣りきる覚悟で挑むということである。「それをカバーするためには、この小さなレイクでいくつものプロダクティブなエリアを持っていなければならない」とケビン・バンダムはプラの時点で語っていた。
 しかし、世界トップレベルのアングラーが4日間釣技を行えば、日が経つにつれ、フィッシング・プレッシャーがかかってくるのも当然だ。
 忘れてならないことは、本戦開催以前に選手はプラを行っているため、現時点でも相当なプレッシャーはかかっていることである。
 
 スロット・リミットの問題やプレッシャーも重なり、本戦初日は上記で示したように混戦とうより、タフなコンディションが目立っている。
 ランディー・ブローキャットvsマイク・ワームは非常に近いウエイトを持ち込み、接戦となった。ブローキャットが2.7lb、ワームが2.6lbとわずか1ozの差で2日めを迎える。
 またケビン・バンダムvsマーティー・ストーンは2oz差、デイル・ティーニーvsゲーリー・クラインは4oz差、アルビン・ショーvsクラーク・ウェンドラントは5oz差である。
 しかし、ビッグ・ウエイトをマークしながらも接戦を強いられた選手もいた。アルトン・ジョーンズとクレッグ・パワーズである。彼らはともにリミットメイクに成功し、ジョーンズが12.4lb、パワーズが11.7lbを持ち込んだ。彼らのウエイトは初日の2位、3位のウエイトではあるが、その差はわずか12oz。
 パワーズは「こんなに神経を使う大会ははじめてだ。グッドサイズの3パウンダーを釣り上げてもリリースしなければならない。代りに、ライブウェルには12inバスが泳いでいるんだ。タフなんだけど、自分の仕事に集中することが唯一の救いかもしれない」と述べた。
 
 詳しい成績表(ウエイト表)は、FLW Tourウェブサイトを参照にしもらいたいのだが、最後に大森貴洋さんの成績だけクロースルックしておこう。
 大森さんは初日5.8lbを持ち込み、対戦相手のディーン・ロハスは4.3lbを持ち込んでいる。明日も気を抜けない試合になることだろう。