2002/9/10
FLW Tourチャンピオンシップ
プレビュー4:スロット・リミットについて


 
FLW Tourチャンピオンシップが開催されるにあたり、出場選手たちの間で大きな壁となっているのが、Slot Limit(スロット・リミット)である。スロット・リミットとはそのレイクに設けられた独自のローカルルールで、「そのスロット内 or スロット外のバスをキープすることができない」というのが基本的設定だ。チャンピオンシップが開催されるクロス・レイクのスロット・リミットは、14〜17in。このレイクで釣りをする際、パーソナルな釣行であれ大会であれ、14〜17inのバスを釣り上げた場合、即座にリリースになければならないというのもだ。
 スロット・リミットとは、本来、バスの育成を助けるために設定されたもので、スモールサイズのバスをリリースすることで、将来それらのバスがストレスなくサイズアップしていることを望んで行うものである。
 逆に、ビッグサイズが少ないレイクでは、「スモールサイズ(たとえば10〜15in)を釣り上げた場合、必ずキープして持って帰らなければならない」というスロットもある。スモールサイズを間引きすることで、ベイトフィッシュをビッグサイズに回すというのが目的らしい。
 また、とあるレイクでは、「20in以上でなければキープしてはならない」というものある。
 
 このルールが設定されているレイクを開催湖としてあえて使用することで、事実上、17in以上のバスのみウエイインできるという特別ルールが、このFLW Tourチャンピオンシップに敷かれた。
 
 では、このルールがどのように影響したのかをFLW Outdoors主催のBFL All-Americanの大会を例に見てみよう。
 BFL All-Americanとは、旧レッドマン・All-Americanという大会で、FLW Tourの母体であるOperation Bass(オペレーションバス)が運営したもっとも大きな大会だ。各州にあるディビジョンから勝ち抜いた選手が年に1度集結して開催される全国大会で、要するに、現在のClassicやチャンピオンシップのようなもの(現在はFLW TourやEverstartの方が規模は大きい)。
 2002年度のBFL All-Americanは、6月6〜8日かけて、このクロス・レイクで開催された。この時期のクロス・レイクはポスト・スポーンの真っ最中で、釣りは渋いものだったという。そのタフなコンディションに加え、14〜17inのスロット・リミットも重なってきたのだ。
 大会初日、50名の選手が参戦したこの大会において、16名がノーフィッシュでフィニッシュ。これは32%の選手がノーフィッシュだったことを示している。また、5ポンド以上のバスをウエイインできたのも、たったの6名だった。
 大会2日め、14名の選手がノーフィッシュで帰着、5ポンド以上も持ち込んだのは5名だった。
 選手は口々に、「タフなコンディションに追い打ちをかけて、スロット・リミットがノーフィッシュという結果を生んだ」と語ったという。
 
 FLW Tourチャンピオンシップでは、どのような展開になるのかが楽しみだ。