2002/8/19
Bassmaster Central Open第1戦
ルイジアナ州レッド・リバー・プレビュー


 
全米各地で開催される大会に参戦することで、プロアングラーとしての生計を立てる選手たち。プラクティスがスタートした時点で、その大会の緊張感溢れるムードが選手たちを包む。しかし、プラから得たものが本戦で100%発揮できるかどうかは、はじまってみなければ誰にもわからない。ただし、自信を持って本戦に臨むためにも、プラの存在は大きい。
 統計的に調査してみると、多数のフィッシング・パターンおよびフィッシング・スポットを持っていた選手が優勝するケースが圧倒的に多い。しかし、例外も中にはあるようだ。
 
 大会湖がタフになればなるほど、これらのプラで得たエリアと経験が生きてくる。
 ルイジアナ州レッド・リバーは、全米の中でも決して釣果に恵まれるフィールドとして挙げられることはない。しかし、「“自分スポットを持つ”ということがこれほどまでにスゴイのか!?」という事実が過去のレッド・リバーで開催された大会からわかる。
 2000年10月セントラル・インビテーショナル(現オープン)において、O.T.フィアーズは、ウイニング・ウエイトである31.15lbのバスをたった1つの倒木から引きずり出した。そして、同大会の優勝者ブレント・チャップマンもヒヤシンスに覆われた1つの小さなドロ底のワンドから50.13lbを釣り上げている。
 また昨年のBassmaster Tourが同リバーで開催されたとき、デイビー・ハイトは41.50lbをウエイインしている。ビッグウエイトではないが、彼が本戦中に釣り上げたほとんどのバスは、1つのリップラップ・エリアからだという。
 そして、昨年のFederationチャンピオンシップにて優勝者のケン・クリストは、メインリバーにある小さなオックスボウ(川のU字形湾曲部、ベンド)が、メインのスポットになった。
 
 「ほぼすべての大会の優勝者は、小さなスポットからバスを釣り上げ、それが優勝パターンとなっている」と語るのは、レッド・リバーで年間160日間ガイドを務め、プロアングラーとしも活躍するホーマー・ハンフレイズだ。「春のいい時期なら、1つのブラッシュパイルから20〜25lbを釣り上げることもできる」と言う。
 また地元のエキスパートによれば、8月というのはレッド・リバーを釣るなかもで難しいときで、20ポンドを毎日釣り上げることは至難のワザだという。
 優勝ラインは43〜45ポンドになるとも言われている。
 川全体に流れがあれば夏でも釣果に恵まれるが、現在のコンディションは11inの減水。タフな状況が重なっている。
 
 第32回Classicウイナーのジェイ・イエラスやその他多数の選手は同大会時、カレントをメイン・ファクターにあると予想していた。事実、イエラスはダムの放水によって起こるカレントを武器にパターンを組んでいた。
 夏のバスフィッシングにおいて水通しは絶対不可欠な要因なのだ。水が流れることで水温が若干ではあるが低下し、水中溶酸素濃度は上昇する。カレントができれば、ベイトフィッシュは流れを避けるためにストラクチャーつき、それを追ってバスもストラクチャーに近づく。しかし、先述したように、同リバーは減水のためカレントもが少ない。最上流部に入ればそれなりのカレントがあるだろうが、エリアのバッティングも大いにありうる。
 
 また、同大会で注目したいポイントは、蒼々たるメンバーが連ねていることだ。マーク・デイビス(年間優勝3回)、ダグ・ギャレット(メガバックス優勝2回)、リック・クラン、ケン・クック、ポール・アライアス、トミー・マーチン(この4名は過去のClassic優勝者)、その他先日開催されたClassicの出場者が15名も参戦する。セントラル戦は、いわば超激戦区なのである!
 ウェスタン戦廃止のため今シーズンからセントラル戦を主戦場とする日本人アングラー、清水盛三さん、臼井智浩さん、宮崎友輔さん。またテキサス在住の大森貴洋さんも参戦する。彼らがこの激戦区を切り抜くことができるのかも、オープン全3戦をとおしての見所でもある。