2002/7/19
Bassmasters Tourの注目ポイントその4

 
Bassmasters Classicにクオリファイされるには、各Tour、Opens、Federationsで年間をとおし上位に入らなければならない。ゆえに、Classicに出場する選手は、誰もが一流といっても過言ではない。
 一般的に、Federationsに参戦する選手は“アマチュア”といわれ、Tourに参戦する選手がプロだといわれているが、同じ舞台・同じ条件で釣技するClassicだけに、普段アマチュアといわれる選手がどれだけプロに噛みつけるかも、1つの見所となる。
 
 私にはFederationsに参戦する上位選手の釣りを見た経験があるが、Tour参戦選手の技術に劣る部分はほとんどない。
 Federation選手の多くは「仕事や家族のこともあり、全米をサーキットする大会に出られない」という状況が多いのも事実だ。
 両サーキット選手の大きな違いといえば、Tour選手は全米をサーキットすることで、未知のフィールドで大会が開催されるとしても、プラクティスに入る以前に、そのフィールドのコンディションをおおよそ想像できることだ。Federationsは州内の大会を基準に年間を釣技していくため、たとえばマサチューセッツ州の選手が勝ち上がったとき、不利な条件にあるのは確かだ。ただし、彼らの技術はプロに劣るものではないため、充分なプラクティス時間が与えられれば、Tour参戦プロに釣り勝つ可能性も大いに秘めている。
 もう1つの違いといえば、精神面での強さが挙げられるだろう。これに関しては、基準が難しいことや規格外の強心臓の持ち主がいることもあり、一概にFederation選手が精神面で劣ると言えない。しかし、ほぼ同一の技術の持った選手同士がぶつかった場合、やはり精神的な強さは大きな意味を持つ。経験の多いTour選手に軍配が上がってもおかしくないだろう。
 ちなみに、FederationからB.A.S.Sに参戦しはじめた選手の中には、マイケル・アイコネリやデイビッド・フリッツなどがいる。
 
 ただし、ビッグネームが勝ち上がることろを見ているだけでは、Classic観戦の面白みに欠ける。ダークホース的な選手を押さえてこそビッグネームが優勝したときに、感動はさらに大きく膨れあがるのだ。
 そういった意味では、Federationsからクオリファイされた選手5名(ケン・クライスト、ロン・コルビー、アーハード・タルゲスカ、ジェイミー・ホートン、クリス・プライス)に注目するのもいいだろう。特にその中でも、ケン・クライストは注目に値する。
 
 また、アメリカ南部といえば、マッディー・ウォーター、シャロー、フリッピングなどが頭に浮かぶ。それを念頭に置くと、西海岸を主戦場とする選手(アーロン・マーテンス、ジャック・ギャドレッジ、ルーク・クラウセン、マイク・オーシェア、ジョン・マーレー、ロバート・リー、桐山孝太郎)は、不利な状況にあるとも考えられる。理由は、基本的に西海岸は、クリアー・ウォーター、ディープ、フィネスなどと南部とは対照的だからだ。
 ただし、アーロン・マーテンス、ジョン・マーレー、ロバート・リー、桐山孝太郎はウェスタン戦だけでなくTourにも参戦し好成績を残しているため、彼らがClassicで上位に切り込む可能性は高く、basswaveでは密かに応援している。
 そして、今年でウェスタン戦が廃止になったこともあり、この中から優勝者が出ることで、廃止に対し、何らかの意見が出そうで楽しみだ。ある意味、遺恨対決である。
 
 basswaveでは、来週月曜日(7月22日)から第32回Bassmasters Classicのレポートを現地から当サイトスタッフが行う予定なので、乞うご期待!また、現地での状況について質問があれば、受け付けている。