2002/7/10
1996年レイ・レイクで開催された
Bassmasters Classicと
2002年Classic注目の選手その2


 
いよいよ7月25〜27日の開催に迫った第32回B.A.S.S. Bassmasters Classic。今日は、1996年に開催されたClassicを解説しながら、今年の注目選手その2を挙げてみよう。
 
 まず最初に、今回開催湖として使用されるのは、アラバマ州バーミンガムからほど近い、レイ・レイクである。同湖は、クーサ・リバーをレイ・レイク・ダムで堰き止めたリザーバーで、地元では比較的ポピュラーなフィールドだ。
 しかも、ここアラバマ州バーミンガムはアメリカ南部の街で、B.A.S.S.の本拠地でもある。それだけにファンのバス釣りに対するの熱狂ぶりは半端なものではない。
 
  1996年のアングラー・オブ・ザ・イヤーは、ケビン・バン・ダムだった。当時彼はすでにトッププロから認められるほどの実力を有しており、ファンからも絶大なる人気を築いていた。出身はミシガン州である。
  「そんな“若手筆頭”がClassicに出る。しかも北部出身の年間チャンピオンが南部のレイクを釣る」となれば、間近でそのパターンやエリアの選定を見たくなる気持ちもわかる。
  B.A.S.S.の大会では、一般が自分のボートに乗船して、大会で競技中のアングラーを見てもよい。そのため、大会初日にトップで折り返したバン・ダムには、2日め「70〜80艇のボートに囲まれていた」と私のソースは語っていた。マナーのあるアングラーなら遠くから双眼鏡などで見るのだが、マナーに欠ける者もいる。そういった連中はエレキで「釣りを邪魔しない程度の距離」にまで入るらしいのだが、バスが逃げてしまうことに加え、バン・ダムの集中力にも影響した。2日め、バン・ダムは9位に落ちる。
  
  最終日、最後にウエイインを待つ選手は2名。デイビー・ハイトとジョージ・コクランだった。先にウエイインをしたのはハイト。この時点でハイトはトップになるが、コクランが8.6lb以上を持っていれば、逆転優勝になる。計量器は9.6lbを指し、1lb差でコクランの優勝となった。
  結果からいうと、コクランは最終日、ファンがついてこれないよう、超シャローのエリアにボートを進めた。静かに集中しながら釣りができたようだ。
  
  しかし、負けたデイビー・ハイトも悔しい。今までの記録では1997年にたった1oz差で勝敗が決定した大会もあったが、負けた以上に当時5歳だった息子さんの涙が印象的だという。また、息子のパーカーくんが泣いているのを見て、ハイトも泣いたらしい。というのも、パーカーくんは裏で「デイビー・ハイトの優勝は確実だ」のようなことを聞いていららしく、逆転優勝もあって現実を受け止められなかったのだろう。また、パーカーくんの夢は優勝者が会場をボートで1周するウイニング・ランも期待していたらしい。
  その後、ハイトは1999年のClassicを2位に9.15lbの差をつけて優勝するが、なぜかあの年だけウイニング・ランが行われなかった。
  デイビー・ハイトは、2001-2002年度トレイルで2度めのアングラー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。レイ・レイクでのリベンジ!ハイトも注目に値する選手であることには間違いない。