2002/6/27
FLW Tourスケジュールの背景

 
FLW Outdoorsが発表した来期FLW Tourのスケジュールは、B.A.S.S. Bassmaster Tourのそれと重なるものがあり、団体同士のいざこざに選手が巻き込まれるような状態にある。しかし、実際には、B.A.S.S.が先に発表したスケジュールによって、FLW Outdoors側がスケジューリングしにくかったことも加えておこう。
 
 来年1月からはじまる両団体のTourレベルの大会は、6ヶ月間に16試合(B.A.S.S.が10試合、FLWが6試合)というタイトなものである。「後にスケジュールを発表したFLW側がスケジュールの調整をすればいいのでは?」との意見も実際に多いが、FLW Outdoorsは、FLW Tourをはじめ、Everstart Series, BFL, Texas Tournament Trail, Ranger M-1, RCLなどと年間総試合数が170を越える。その中でもメジャーとされているFLW TourとEverstart(B.A.S.S.でいうオープン)は、トータルで20試合(FLW Tour:6戦+ジェイコブス・カップ、Everstart:3地区で4戦ずつ+チャンピオンシップ)を開催する。
 トーナメントを開催するには、開催湖のある市や町から許可が下りなければ開催決定ができない。特に開催地が小さな町であればあるほど、開催が難しいという。なぜなら、トーナメント前後には選手が集中して町を訪れ、渋滞が発生し、ガソリンの供給、レストラン、コンビニ、修理工場までが町以外の人でごった返すからだ。これをコントロールできないと町が判断した場合、その町での開催を諦め、同じ開催湖だが異なったマリーナのある町を捜さなければならない。これを170ヶ所でやるわけだから、主催者側の苦労は大きい。
 
 さらに、B.A.S.S.が来期Bassmaster Tourに採用するルールに、「30日間のオフリミット制」がある。同サーキットに参戦する選手は、「大会本戦の公式プラクティス前30日間は、開催湖に立ち入ることができない」というこのだ。
 これがどうFLW Tourと関係するかというと、もし「年間成績は狙わずとしても両団体に参戦したい」という選手がいたとする。たとえ彼らがFLW Tourの試合期間中であっても、B.A.S.S.が数週間後に同湖でトーナメントの開催を予定していたら、彼らはこのルールを破ることになり、事実上参戦不可能になる。
 これをFLW本部も無視してとおることができず、最善の結果が先日発表されたスケジュールなのだろう。

 今後の行方は本当に予想がつかない。TV露出や知名度の大きいB.A.S.S.に止まる選手もいれば、賞金額を考慮すれば、FLW TourとEverstatの掛け持ちでFLWに止まる選手も出てくるだろう。来期の参戦選手発表が楽しみだ。