2002/5/25
W.B.S.第4戦
晴天、しかし強風……。波乱の末のビッグウエイト

 5月26日、W.B.S.PRO-TEAMトーナメント第4戦が開催された。第4戦めにしてはじめて、スタート時に寒さを感じさせない陽気となった。
 これが示す意味は大きい。一年をとおして考えると、ビッグバス・ビッグウエイトが持ち込まれる確率がもっとも高いのは、一般的にスポーニングに絡んだ時期、水温が15度前後のときだ。すなわち、そのタイミングに合ったのは、前回の第3戦だと参戦選手も噂していた。。2デーで行われた同大会は、優勝ウエイトが12450g。1日平均で6000g。2日間をとおしての最大ウエイトは、7490gだった。もし仮にこれが年間をとおしてナンバーワン・ウエイトだったとするなら、第4戦以降の大会で「これ以上のウエイトが飛び出すのか?」ということも思案される。さて、第4戦の展開やいかに!?
 
 大会数日前、第4戦の行方について、林敏雄さんに話を伺ってみた。「カスミは今、完全にアフター(スポーン)状態だから、バスが散ってるよね。確かに、バス(の個体数)は減ってきてるけど、いるにはいる。ただ、バイトしないだけ。それは、この前のJBワールド戦でもわかったしね」とハイプレッシャーのコンディションを伝えている。また、釣果については「8000g前後がトップウエイトになると思うよ。自分の目標は7000gで、実際にプリプラではそれくらい獲ってるからね。でも、本番はわからないよ」と加えていた。
 
 大会は、天候もよく何事もなく無事終了するかと思えた。が、しかし、ウエイインを午後1時30分ころに控え、正午あたりから突然東風が吹きはじめた。選手にとっては、当然苦しい展開を迎えることとなった。
 
 大会上位入賞者を紹介していこう。3位に入ったのは、早乙女剛さん・丹竜治さんのチームだ。プラクティス時の状況を早乙女さんに聞いてみると、「プラではそこそこの手応えはありました。ただ、それが本戦で通用するのかは、わかりませんでした」という。その手応えをもとに本戦では、「東浦の捨てアミを重点的にやりました。バスがいるのはわかってるんですけど、食わない。だから、ルアーを7回くらいローテーションさせて、やっとバイトがありました。それでも8時までに5尾獲ってましたから、気分的には楽でしたけど」と語る。ルアー・ローテーションの中でも反応がよかったのは、スピナーベイト、ラバージグ、ライト・ダウンショットリグだという。
 「久しぶりの上位入賞です」と語るのは、2位に入った赤羽修弥さんと後藤健治さんのチームだ。風が出るまでは美浦エリアでパターンを組んでいたという。「ここを出るまでに6尾を釣り上げてましたけど、帰り道に石田のブレイクに入ってみたんですよ。プラでやってなかったので自信はなかったんですけど、奇跡的なバイトがあって1尾追加できました」と語っている。今大会では7尾のリミットメイクに成功しているが、予定としては3、4尾だったそうだ。しかし、最初にボートを進めた美浦エリアは、近年このシーズンにいい釣果を生んでいたことから、今回もそのエリアに入ったという。メインに使用したのは、ダウンショットリグとヘビーキャロライナリグだった。
 
 そして見事優勝を果たしたのは、大藪厳太郎さん・村中義明さんチームだった。大藪さんは、第1戦が4位、第2戦が7位、第3戦が2位と、順調な成績を残してきている。
 パートナーとなった村中さんの話によると、事前に電話で話したときすでに想像もつかないパターンを聞いていたという。「大潮直後ということで、水温も19〜20度だから、今からスポーンに入ってくるバスをねらうと聞きました」と話したらしい。村中さんは当然ポストスポーンバスをターゲットにすると思っていたそうだが……。実際にプラクティスに入ってみると、大藪さんのパターンが大当たりし、「魚の読み、釣り方、すべてにおいて脱帽でした」と語る。
 その大藪さんは、「大潮から2日めなんで、スポーンのオスバスがシャローにいると想像してました。みんなはアフターねらいでいくだろうなぁ思ったので、逆にスポーン絡みにした」という。プラの状態から、本戦では6500gは獲れると予想していたらしい。
 しかし、釣果とウエイトに恵まれていた同チームも、バスのケアに時間を費やしたという。
 「5尾釣った時点でライブウェルを空けると、4尾が横になって倒れていた。結局7尾ウエイインしたうち2尾をデッドにしたので、気分はよくないです」と述べている。
 メインパターンは、ヘビーキャロライナリグとスプリットショットリグで、メスは浮き気味だったが、オスはボトムにベッタリだったらしい。
 
 大会が終わってみると、全体的に釣果がよかった。大会終了直前に吹き出した強風も、釣果には差ほど影響していなかったようだ。それは、多くの選手が語っていたのだが、「バイトは朝に集中していた」からだろう。3チームがリミットメイクを達成し、ノーフィッシュで終えたのもわずか3チーム。本戦前に林さんが語っていた8000g前後のトップウエイトも当たっている。
 しかし、彼はさらに面白いことを語ってた。「今年一番のビッグウエイトが出るのは、スーパー・3デイズだろうね」と。果たして、どれほどのウエイトが期待できるのだろうか。そのスーパー3デイズは、6月20〜22日の日程で開催される。

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